出逢いまで(いつか必ず) 24  | シンイ二次小説でんべのブログ

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白々と夜が明け始めた頃
ウンスの実家にトラックが
突っ込んできたのだ。

「な、何?地震!」

居間に布団を持ち込み
親子仲良く寝入っていた。
ウンスが奇声を発し飛び起きた
のだ。

「ウンス!!大丈夫か!」

ヨンと父親も駆け込んでくる。
古い作りの実家は広めの玄関を
上がると直ぐに居間があるのだ。
その玄関に目をやると
大型トラックの赤い頭が見える。

「くそ!運転席はもぬけの殻だ。
これは故意に突っ込んだんだ!
ウンス!警察…いや、俺が
チュンソクを呼ぶ」

すぐさまヨンはスマホを取りに
行き、電話を掛けながら戻ってくる。
故意ならば仕掛けた犯人が
家族を狙う可能性もあるからだ。

「チュンソク!早くからすまない。
ウンスの実家にトラックが
突っ込んだんだ。運転席は空
これはわざとだ!至急手配を頼む。
俺は俺の家族を避難させるから」

電話を切るとヨンはウンスの手を
取り、父親は母親の手を取り
四人は家を駆け出した。
むろん寝姿のままだ。

「先ずは俺の車に、チュンソクらが
来たら、少しは安心するんだが
・・・さずかに一度に四人は
俺でも守れないかも知れないから」

「わしも少しは助太刀するから
ヨン!犯人を必ず捕まえて
弁償させてやる」

「はぁ~はぁ~・・・む、ムリは
しないでくださいよ。
お父さんも年なんですから」

少し離れた場所に
ヨンの車を停めたのが不幸中の幸い
だったのか車は無傷で駐車場に
あった。

三人を車に乗せ、後部座席に
座るウンスに気を配り
ながらも、ヨンは五感を
すまし人の気配を探る。

「・・・!!!父さん
二人を頼めますか!直に戻ります」

愛しいウンスを狙った者の仕業か
はたまた自身に向けた者の仕業か
ヨンは邪な気を感じ取り
犯人が潜んでいると思われる
近くの物置小屋へ駆け出す。

『ウンス?しばし離れるが
父さんと母さんのそばに
おれば間違いない。
父さんの気は凄いんだ
さすが一家の大黒柱だけある
家族を守る、男はそれだけで
力を発揮するものだ。よし!
俺は俺のやり方で家族を守る!』

ヨンはそう腹の底で思う。

物置小屋に到着しドアを蹴り破ると
白髪の紳士と見覚えのある女性が
寒さに震えながら潜んでいた。

「きゃ~~」

けたたましい騒音とともに
蹴り破られたドア。
辛うじて蝶番だけが片方残り
ギィギィっと不気味な音が
耳に残る。
開けられたドアから
積もった雪が小屋に雪崩の様に
押し寄せる。
ふと窓に目を向けると
壊され開いていた。

「お前らだな!隠れていても
無駄な事、出て来い!」

「な、なんの事でございましょう
私らは道を間違え迎えがくるまで
こちらを少々お借りしていた
までにすぎません」

見え透いた嘘なのは分かっている。
黒いコートでカッターシャツから
覗く蝶ネクタイ姿の男
鋭い眼差しがヨンを見据える。
出来ると思うヨンではあったが
それをスルーし女性へと言葉を
投げ掛ける。

「あなたはどこかで
お会いしたように思うけど
どこだったかな・・・」

ウンス以外興味を示さないヨン
その姿勢は今も昔も変わりない
ようである。

「キ・ソンファです。
私らは運命の出逢いだったと
思うのです。ですから
あの貧乏医学生が目障りで…
ですから、親を排除すれば
落ち込みますでしょう?。
ふふふ。チェ・ヨンさん?
ソンファの親はお金持ちでしてよ
、ですからソンファをお嫁に
迎えて下さらないかしら?」

べらべらと話を続けるソンファに
執事の顔が歪み始める。

「お嬢様!お言葉をお控え
ください。この男を眠らせ家に
連れて参りますのでお嬢様は
お迎えが参りましたら
お戻り下さいませ」

「いやいや、ソンファも一緒に
帰りましてよ~。
見届けなければお父様に叱られ
るわ。分かるかしら?」

やれやれ、我が儘なお嬢様だと
執事はそんな顔をさせヨンに
向かい顎をぐいと動かし
表へ出ろと合図を送る。

若かりし頃から腕に覚えのある
男。貧しさ故に家を飛び出し
キックボクサーとなり
一時は、その名も知れた程の人物
老いて行くにつれ
過去の栄光から見放され
やさぐれていた頃
キ家のご主人に拾われ
ひとり娘ソンファの執事兼用心棒
として仕えて早10年が過ぎる。

すてに夜も明け
二人は表へと足を踏み出す。

『排除って・・・ウンスが
耳にすれば絶対許しはしない
俺もそうだ。父さんと母さんは
俺の家族!!俺も絶対許しは
しない』

ヨンはそう強く思うと
一気に気を解放するのであった。
拳と拳の戦いがここに始まる。



・・・・・

刀も拳銃もなく拳と拳の戦いです。
どうなるのかしら??
ヨンが負けるなんてあり得ない
けど…。


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