年越しイベント番外編 | シンイ二次小説でんべのブログ

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離別

「貴女が逝ってもう十年
俺は今、この首を落とされようと
している。でもなウンスや
貴女に会いたくて俺は喜んで
いるのだ。
倅らも大きくなり親がいなくても
なんの支障もないであろう
貴女に会いに行きます。」

斬首の命がくだり
老兵チェ・ヨンは今のまさに
その時をむかえようとしていた。
時の流れには逆らえず
時代は高麗から朝鮮となり
ともに切磋琢磨してきたイ・ソンゲが
斬首の命を下したのだ。

刀が振り落とされたその時
民の涙雨が振り雷雨となり
地面に叩きつける・・・。



「ヨン!待ってたんだから~
遅いわよ!でもね
よく生き抜いてくれたわね
いい子でした。うふふっ」

ウンスはそう呟くと頭一つ違う
ヨンを抱き締めポンポンっと
その背を叩く。
此処は彼の地でそばには
ヨンの両親や叔母の姿も見える。

「会いに来ました・・・やっとです」

ヨンは思いの丈を精一杯口にする
生前は寡黙で無駄口をあまり
叩かない武将であったが
ことウンスに関しては感情を露にし
悋気大魔王とまで別名がついて
いたほどではあったが。

「ヨンや、よく堪えましたね
母は誇りに思いますよ。
自慢の息子です・・・これからは
家族で戦のない世で暮らすのですよ」

「そうじゃわしらの自慢の倅じゃ」

「なんじゃ!その締まりのない顔は
シャキッとせぬか」

両親や叔母から
叱咤激励されながらもヨンは
ウンスを離さず、これからは
愛しいウンスと離れる事なく
暮らしていけるのだと安堵し
「我が人生一片の悔いなし」と
いつまでもいつまでも
ウンスを抱き締めて
いたのであった。


・・・・・

あなたがテクニシャン

目の前にそそり立つ大きな山を
小さな小さな姫は登って行く。

「姫様!危のうございますれば
そのように得体の知れないものに
手を出してはなりませぬ」

「爺や、妾はこの山を好いておる
のじゃ。この山は普段はふにゃふにゃ
じゃがピンっとなればそれはそれは
勇ましい姿に変身するのじゃ。
なれどこの山になるのは
決まったおなごに対してだげじゃ
爺や?摩訶不思議な山であろう
ほれ、暴れ始めるようじゃ
やはりこのおなごが相手のようじゃ
ちいと妬けるのぅ」

山の頂きたいまでようやく
たどり着いた姫は振り落とされぬ
ようしっかりとしがみつくことに
したようだ。
爺やの小言など気にもせず。

真っ暗な洞窟に出し入れされ
小さな姫は目が回るようだと
爺やに助けを求め大声を張り上げる。

「じ、爺や~~妾を助けてたもれ
このままでは
洞窟の奥に投げたされ妾は
消えてしまうのじゃ!はよ!
爺や~~」

「姫様~!大事ございませぬか~
茂みが邪魔をし、忍び込むこと
叶いませぬ~如何致しましょう?」

「きゃっ~~~」

悲鳴をあげながら小さな姫様は
洞窟の奥へと姿を消し
十月十日後大護軍チェ・ヨンと
その正室ユ・ウンスとの間に
生まれ、皆に愛され過保護な程
蝶よ華よと育つのであった。

・・・・・

喧嘩

「もう!許さないんだから
私と言う奥さんがいるのに
どんだけ縁組みの申し込みが
有るわけ!第二夫人!側室!
受けて立ってやろうじゃないの」

天女と言われ王様から医仙との
称号を賜り、百戦錬磨の武将
チェ・ヨンの正室として嫁ぎ
はや五年間の月日が流れて
いたが、まだ子宝に恵まれず
名家にあるまじき正室と
陰口を言われ続け
今まさにチェ家屋敷に直接
乗り込んで来た重臣とその孫娘に
嫌みを言われていたのであった。

「ですから、私くしは
正室とは申しておりません。
第二夫人で構いませんわ
正室様に子ができないので
あれば、私くしが生んで差し上げる
と申しておるだけです」

「そうなのだ…貴女には医仙として
王宮務めを果たせば
それでよいのだ。
大護軍殿のお心は孫娘が癒して
差し上げると言っておるのだ」

「孫娘にあのひとの心根が
向くなどありませんよ。
諦めてお帰りください」

「何故そう強気でおしゃるのか
儂には理解できないが
男など若い女人がよいに
決まっておるものを
くっはっはっは」


その頃・・・

「何!重臣と孫娘が屋敷に
乗り込んでおるとな!」

「はい…スリバンから繋ぎが
・・・」

「まったく…チュンソク!あとは
頼めるか」

「はっ!お任せを」

ヨンは愛馬を走らせ
屋敷へと急ぎ戻る。春が待ち遠しい
寒空の中気ばかり焦る。
気性の荒いウンスの事
大惨事にならねばよいがと。

「ウンス!!」

ヨンが飛び込んだ屋敷奥には
目を疑う光景がその瞳に飛び込んで
来たのであった。
修羅場を想定していたのだが
ウンスは得意気に胸を張り
ヨンを出迎えた。

「どうしたのヨン!
びっくりするじゃない」

「・・・いや、その・・・
修羅場を想定していたのだが」

「うん…始めはそうだったけどね
…実はね・・・・」

ウンスは説明する。
にらみ合いが続く中
急に重臣が倒れてしまったのだと
ウンス曰く、心臓発作と分かり
心肺蘇生を試み事なきを得たのだと。

孫娘は未だに
不服そうな顔をしていたがお祖父様
のお言葉には絶対服従の時代
渋々納得しようとしていたが
ヨンの登場にその気持ちが
爆発してしまったようだ。

「私くしを第二夫人に
必ず丈夫な
若子様を生んで差し上げます
宜しくお願い申し上げます。
大護軍様!」

「これ!止めなさい!
あっははは~これじゃな…
お前のすけいる隙間はないぞ」

ふと目をやればヨンはウンスを
抱き締め熱い抱擁を交わして
いたのであった。



・・・・・

年越しイベント番外編として
お題のうち三作を急ぎ描いて
みましたが喧嘩のオチがない!
下手くそ三部作でした。
お許しくださいね~(汗)

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