鈴蘭  58 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています



「実はな…これを見てくれ
ないか」

がさごそっと、リュックの奥底から
取り出したのは古びた古文書と
小刀であった。
小刀も損傷が激しく、原型を
とどめてはいないが
ヨンとウンスにはそれが
なんなのかはすぐに分かった。

護身用にとヨンが買い求め
ウンスの足首に忍ばせた
懐かしい小刀なのだ。

「これは・・・ヨン?
間違いないわよね…」

大事に保存されていたのか
持ち手には、僅かに朱色が残り
百年の時が流れた品物とは
誰もおもわないであろう小刀である。

「忘れるものか、王宮四阿にて
ウンスの足首に巻いた小刀に
違いない。されど何故これが
天界に…ましてや、親御殿の手元に
・・・」

「それがな…ある日
私達を訪ねてきた青年がいてな
その青年曰く、これは 華佗と
言われた人が残した守り刀だと…
この小刀をある場所にかざすと
天門が開き、過去と未來を
自由に往来ができると言うんだ。
この小刀が二本あり、一本は
これともう一本はその青年が
持っていると見せてくれたんだ。
私達があの石仏に着いたときには
天門が開いていたから
きっとあの青年が旅に出たあとじゃ
ないのかな」

「えっ、華佗??
違うわよ。この小刀は間違いなく
私のだし、百年前で旅人に助けて
もらい・・・あ、あの時の人が・・・
華佗だったなんてあり得るかしら
・・・そんな偶然って??」

「助けてもらい…」その言葉に
ピクピクっと反応するヨンの眉
なれどぐっと耐え、言葉にする。

「名は問わずじまいか?」

「聞いたわよ。・・・確か・・・
ヨンジュン…そうよ!ヨンジュン
って名乗ったわ。髪はさらさらで
背丈はヨンより大きくて
腕っぷしも強く、白刃どりって
とでも言うのかしら?
それが上手くて怪我なんて
しなくて、イケメンだった」

いけ、、いけめんとは・・・?
意味が分からずいたヨンだが
過ぎ去りし過去に複雑な思いを抱く
ヨンである。

「そう…そんな感じの人だった
お父さん?そうでしたね」

「そうだったかな…。
父さんにはヨン君の方が
イケメンに映るがな」

「父上様、ひとつお尋ねしても?」

「構わないよ。ヨン君なんだ?」

「いけめんとは?」

「アッハハハッ~~・・・
イケメンはヨン君見たいな
美丈夫を差すことばなんだぞ
なんだヨン君は焼きもちをするのか
かわいいじゃないか、なぁ
母さん…」

「ふふふっ…それだけウンスが
愛されてる証拠よ。
ありがとうね、ヨン君」

「・・・」

罰が悪そうに後頭部に手をやり
明後日の方角に目を向ける。

「うふふっ…ヨンは私の宝物
なんだから、からかわないでよ。
でもさぁ…なんで紅巾だけ
まるで掃除機のように吸い上げ
られたのかしらねぇ~。
あっ!もしかして、ヨンが
天門を操れるじゃない?
だからこの小刀はヨンが私に
プレゼントしてくれた物だから
その思いが持ち物に伝わり
天門を操れるとか、お互いを
呼びあい天門が開くとか?」

「「・・・」」

今一理解が出来ないでいた三人で
だが・・・。

「今、高麗は紅巾の住処になりつつ
ある。故に某が望む事、それは
紅巾に始まらず、あらゆる難題を
乗り越え、ウンスが穏やかに
過ごせる世を作る事。
偏に、これに尽きます」

常にウンスが一番であるヨンの
お想いは気高く、揺るぎないもので
あるのだ。



・・・・・

おはようございます。

ヨンと天門と思い入れの深い
物との関わりは・・・
謎が残りますが、しばらく後に
判明する筈です。きっと。

ヨンジュンとは華佗なんで
しょうか?それとも別人?
謎だらけですが。
長~~~い1日の章が終わります。


年越しイベントについて。

pandoria様。
ともち様。
霞様。
くぅ様。
参加を下さいました。
ありがとうございます
まだまだ募集していますので
ご参加くださいませ。


ポチっとして下されば嬉しいです



にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村