鈴蘭  53 | シンイ二次小説でんべのブログ

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天門を抜けると見慣れた部屋で
ヨンはホッと安堵のため息を漏らす。
己が自由に天門を操る事が
できるのは、利点でもあるが
丹田の気を消耗するのも速いと
思われかなり疲れてしまうのだ。
だが、ゆるりと運気調息をして
いる間はないのである。
天門もまたヨンが抜けると
役目を終え萎み始め直に
その役目を終えたのであった。

「大護軍!お、おれをひとりに
して、どこへ言ってしまったかと
心配してました!」

「すまぬ、テマン…なれどもう
どこへも行かぬ故そう怒るでない」

うっすらと涙を浮かべるテマンの
頭をガシガシっと撫でると
テマンを引き連れ
診療棟へ急ぐのである。
到着して見ればウンスがいち早く
その姿を目に止め声を掛ける。
駆け寄りたいのは山々であったが
患者を見過ごすことはできなかった
王宮侍医と言う立場が
恨めしいとこれほど思う事は
なかった。

「ヨン!!」

「大事ない」そう応えるとともに
大きく頷くヨンである。

「あの男は?」

「屋敷にて話す故…それと
必ず迎えにくる。それまでは
大人しゅう待っておれ」


診療棟入口でそう力強く叫ぶと
紅巾族の制圧に向け動き出そうと
駆け出すのである。

先ずは王宮内に潜む紅巾からである
都の民と紅巾の区別は
額に紅色の手拭いを巻いている群衆を
鎮圧すればよいのであったが
ここは王宮内であり
王様や王妃様、それに次代担う
世継ぎ様までおわすのだ。
万が一などあってはならぬのである
大護軍であるヨンの肩に
のし掛かる。
策しと言われたヨンが
どのように紅巾を都から
いや高麗の地から退けるのか
待ち望む人々がいるのは確かである。

暗闇で紅色の布は天の助けであった
王宮中庭に到着すると
額に浮かびあがる紅色の賊を
片っ端から手刀で眠らせる。
相手は元々農民であり
高麗の守護神であるヨンには
造作も無いことであったのだが。

「トクマン!槍を振り回し
民を傷つけ如何するのだ!
少しは頭を使わぬか!
お前は農民相手に何を躊躇して
おるのだ。そのような柔に
鍛えたつもりはないぞ」

死なぬ程度に心身とも鍛練をと
己と腹心でもあるチュンソクは
鍛練をしてきたつもりだったが
トクマンはその長身から振り下ろす
槍を振り回し腰も引け
「寄るな!
民を傷つけたくないんだ!」
そんな事を叫んでいたのだ。

「まったく・・・
紅色の布が目印だ!!」

「あ、はい!大護軍!
ありがとうございました。
おれは都の民を傷つけてしまうかと
気ばかり使いどうにもなりません
でした。おれも手刀で眠らせます」

ヨン、テマン、トクマン…その他の
高麗精鋭部隊は三人に習い
紅色の頭巾あるいは額当てを
目印に手刀で眠らせる。
時が夜明けに近づき白々とし始めた
頃、王宮内は静けさを取り戻し
つつあった。残るは
王宮外の紅巾賊をどう退けるのか
策士と言われるヨンの手腕の
見せ所であるのだ。


・・・・・

皆様おはようございます。
今日仕事で明日が休み
いっそのことヨン連休にして
欲しかったと愚痴るでんべでした。

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