鈴蘭  52 | シンイ二次小説でんべのブログ

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天門が開きたどり着いた先は
戦のど真ん中であった。
時代は定かではないが
鎧も着けず刀も持ち合わせない
鍬や竹の先を細く削り、槍として
使用する粗末な戦だと
ヨンの目には映る。

「おまえたちはどこから
来たんだ!!」

「すまぬがここはどこか?」

「へっ?お前頭悪いのか?
ここは燕(えん)なんだぞ」

燕…この地が始まりを告げた頃
幼き頃父にそう教えて頂いた。
ならば二度と戻る事は
叶うまい…。
ヨンは腹の底でそう思い
ニヤリっと口の端をあげる。

「すまぬが、この者を煮るなり焼く
なり好きにしても構わぬ故
置いて行く。今、俺は急がねば
ならぬのだ」

二人の後ろには妖しい渦を巻く
天門がヨンを待っている。

「いい忘れておったが…この者
毒を用いる故気をつけられよ」

そう呟くとヨンは徳興君を残し
燕の時代に別れを告げる。
こともあろうか
王妃様に毒を盛り苦しめた罪。
愛しいウンスにさえも毒何度も
を用い、長きに渡り離れ離れになる
きっかけを作りし罪。
玉座を狙いし罪。
どれもこれも死罪に値する罪。
己の手で斬り捨てるのは造作もないが
それだけでは王様のお心が
収まらないのであったのである。
康安殿をあとにする折
お付きのアン・ドチ内官に
呼び止められ文を渡され
王様のお心を伝えられた
のである。

「叔父には知らぬ地へと旅を
して頂こう。二度とその姿を
見ることがないよう。
二度と王妃の瞳に忌まわしい姿を
見せぬようにじゃ、王妃は
今でもあの折亡くした子に詫び
手を合わせておるのじゃ。
その憎しみははかり知れぬ
今の王妃は強い。
世継ぎが生まれあの折の子が
不憫でならぬと常々口にしておる。
何をしでかすかわからぬのじゃ
頼んだぞ大護軍」と
綴られていたのであった。

ヨンが去ったのち
徳興君がどうなったかは
神のみぞ知るである。

「急がねば」

後方より小さくなる己の名を叫ぶ
徳興君の声にヨンは振り向く事も
なく、高麗へと急ぐ。
都の一大事は愛しいウンスの一大事
でもあるのだ。
紅巾と呼ばれる
元からの宗教的群衆を都から
一掃しなければならないのである。



・・・・・

皆様おはようございます。
日々仕事と家事に追われて
おりまして早く描かねければと
思うのですが・・・すみません。
短いですが・・・。

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