鈴蘭  51 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ヨン?お願い早く姿を見せて」

徳興君の指が届くまであと一歩
の所までウンスは歩を進めて
いた。

「この騒動であいつは来れまい
諦めよ。先ほどまでの威勢は
鳴りを潜めたか…わたしは
長年の屈辱を晴らす時がきた。
王族として生まれた我が身を
幾度恨めしいと思った事か…
そなたに分かるか!
えぇ~い!焦れったい
こうしてくれるわ!」

徳興君がウンスに触れようとした
その時!!その身体が宙を舞う。
どすんっと典医寺の屋根に
ぶつかり止まることができたようだ。
何が起きたか徳興君も飲み込めず
屋根上で辺りをキョロキョロっと
見回し不意に立ち上がると
バランスを崩し、「わあ」
「おお~つ」っとらしくもない
奇声を発しコロコロっと転げ
落ちていく。

「痛ってて…」

顔をあげるとそこには鬼の形相とも
言えるヨンが見下ろしていたのだ。
徳興君だけを狙い見事命中したと
言えよう、周りの患者は突風が
吹いた程度で巻き込まれた患者も
いない様子であった。

「ヨン!!お帰りなさい。
怪我はない?斬られしてない?」

「あぁ…貴女はまた無茶をしようと
してましたね…まったく」

「大人しく~していたわよ。
でもね、この人の毒で
もう誰も苦しんでほしくはないの
代わりになれるなら
私はなんでもするわ、そうでしょう」

「ウンス…貴方がいなくば息も
できぬのだ。無茶を控えて
くれぬか?」

「だって・・・。
私は医者だし・・・」

「まあ…貴女を解くのは屋敷に
戻ってからにする故…今は
こやつの始末を先に…」

ヨンはそう呟くと
ひと目に付かない所まで徳興君を
連れていくと言う。
されど今の王宮は民で溢れて
いるのだ。

「そう…じゃ私の私室で
どう?」

「貸してくれるか
ウンス?実はこんな策を
考えておる」

ヨンはウンスの耳元で
ゴニョゴニョと呟き口角を上げる。

「わかったわ。
でも一人で大丈夫なの?
私も一緒に行きたいけど…手が
あきそうにない・・・。」

ウンスは周りを見回し
この患者を放って逃げ出すことは
できないと諦めの境地である。

「俺を誰だと思うておる・・・
案ずることはない。
直に戻る必ず貴女のもとへ」

ヨンはそう呟くとその大きな掌で
不安な瞳に揺れるウンスの頭を
ぽんぽんっと撫でる。

「うん…気をつけてね。
ここで貴方を待ってるわ
でもこの男の指には触れないで
その指環は毒が仕込まれている筈
だから、触れずに縛って連れて
行って頂戴ね」

それからヨンは縄を用意させると
徳興君を自ら縛りあげ
ウンスの私室へと歩を進める。
心配顔でそれを見送るウンスや
他の医員、その中に交じりトギ
の姿も見える。
今となっては
その当時を知るのはトギくらいに
なってしまったが、トギ自身も
恩師とも言えるチャン侍医を失うと
言う辛く切ない出来事があった。
それを思えば徳興君をどうするのか
興味深く見送るのである。


「この道が徳興君殿が行く
べき道、黄泉の国へと続く最期の道…
今世には二度と戻れると思うな!」

「ふんっ!大袈裟であろう。
私は何処へ行こうとも必ず
お前の前に再び現れる。
約束しよう」

そう呟く徳興君にヨンは口の端を
にやりと上げると背を向け
一歩前へと進みウンスの私室中央へ
行くと強く念じ始める。
直に青白い光が発し天門が開いた
のであった。

「わっ」・・・っと眼を見開く
徳興君を縄を引き己自身も
その渦の中へその身を投じたので
あった・・・。


・・・・・
皆様こんにちは
最近でんべ感謝館の問い合わせが
多数ありますが…今は開いてません
ので、鍵のお渡しもできません。
悪しからずご了承下さいませ。


何処へ!行ったのかしら?
ヨン?早く戻ってきてね。
ウンスが心配するから~💦

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