鈴蘭  37 | シンイ二次小説でんべのブログ

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坤成殿へと向かう途中
王様ご一行と出くわし共に
向かうこととなった。

「侍医?すまぬが
王妃と若子(わこ)を頼む」

「王様?若子様とは限らない
ですよ。姫様かもしれませんし
そんなご負担を王妃様に
お掛けしてきたんですか…
いけませんね、うふふっ
とにかく精一杯取り組ませて
頂きます」

「うむ…」

王様はウンスの力強い物言いに
大きく頷かれる。
王妃様の寝所の前は物々しい
有り様である。
代々王妃様や大妃様、側室などの
お産を受け持つ部署である医女が
右往左往していたのだ。

「どうしたの?」

「これは侍医様…どうもお腹の中で
逆子のご様子にて難儀しております
くるりと戻すことはできるのですが
またすぐに逆子になってしまわれ」

「そう…分かりました。
取りついてもらえるかしら」

「よい。私が先に」

チェ尚宮が寝所の戸口を静かに
開け中に入り、直に戸口が開いた。

「ウンス、王妃様がお待ちじゃ」

「はい、王様…別室でお待ちに
なってくださいませね。
これより男子禁制になりますし
長くなると思いますから
お戻りになられても構いませんが」

「・・・ドチ?取り急ぎの案件は
聞いておらぬが…王妃についていて
やりたいのだがどうじゃ?」

「王様のお心のままに」

ドチ内官がそう呟くと
王様は安堵の表情を浮かべ
ながら「王妃よ!余がついて
おる故気をしっかり持つのじゃ!」
そう戸口から声を張り上げていた。

ウンスもまたヨンと見つめ合い
互いに大きく頷き寝所へと姿を
消す。それを見届けると
ヨンが口を開く。

「恐れながら王様、時が掛かるやと
思われます故部屋を用意致します
れば、しばしお待ちを」

「頼む、側を離れとうない」

「はっ!心得ております」

寝所を産室としたため幸いにも
お付きの女官らが仮眠を取る
部屋が幾つも空いてはいたが
使用された気配がない空き室を
控え室とすることにした。

「恐れながら王様…某は
一度兵舎へ戻り、やらなければ
ならぬ事がございます故
一度おそばを離れます事を
お許し致きますよう
お願い申し上げます」

「相分かった。構わぬぞ」

「はっ!おそばには迂達赤隊長
チュンソクとトクマンを付けます
故…」

ヨンは一礼すると兵舎へと戻る。
長引くならば警護を抜かりなく
策を練り直さねばとの思いであった
産室の前を通る折りには
脚を止め、ウンスに思いを馳せる。
「ウンスや、しばし離れる。
なれど思いは同じ故
王妃様を、赤子をたのんだぞ」


一方産室では。
「まだ子宮口が開きません。
侍医殿如何致しましょう」

「薬医員のトギを呼んで
ください。あの女(こ)なら
気分をリラックスさせるお香を
焚いてくれるし、いざと言う時
薬草のことは任せられるから。
まだ早いから出仕はしてないはず
家まで使いを出してちょうだい」

「りら・・・くす??で
ございますか?それはいかような
・・・それに当方にも
薬草に詳しい者がおりますので
トギとやらは不要かと。」

「ごめんなさいね。トギの右に
出る者はいないと思ってますから
お願いしますね」

「は、はい・・・」

ウンスはそう言い退ける。
王宮侍医の命は絶対である
医女はしぶしぶではあったが
頷き、使いの者を向かわせる。

「王妃様…ウンスです。
お分かりになられますか?
ちょっと内診させてもらいますね」

まだ陣痛さえ始まっては
おらぬのだから、子宮口が開く事は
ないのであるが念のためにと
ウンスは内診を進める。

「逆子なんですね…
王妃様?少し体操しましょうか
百パーセント逆子が治るとは
限りませんが可能性がないとも
言えませんのでやるだけの事は
やってみましょう」

「たいそうとな?
それは妾にも
できるものであろうか…赤子の為に
なるならばなんでもしたいが」

「大丈夫ですよ。
ブリッジ法を試すだけですから
では王妃様腰をちょっと浮かせて
貰えますか?」

「・・・こ、こうか?」

幸いにも内診後で仰向けに寝て
いた王妃様には
胸膝法(きょうしつほう)より
ブリッジ法が楽とふんだウンスは
僅かにあがった腰の下に
薄い上掛け布団を滑りこませた。
この時代逆子は、王妃様にも赤子にも
命とりであると…それだけは
避けなければならなかったのである。


・・・・・

皆様こんにちは。

なんと今日から16日まで
盆休みとなりました。
長すぎる。このご時世
外出するのも恐ろしく
引きこもりたいと思って
おります。

グルっぽがあったなら
皆様と遊べたのになぁ~💦

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