鈴蘭  35 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「マンボ姐さん!凄くご無沙汰
してしまってすみません。
色々な事があってしばらく
離れていたので・・・」

「あいよ…まぁ噂は聴いて
いたからさ、あんたとは
これから長い付き合いになるん
だろうからさ、かたい挨拶は
抜きにしようじゃないか
クッパ食うだろ?
あれ、見かけない人もいるね
誰だい?」

「うふふ、私の両親なんです
マンボ姐さんのクッパを是非
食べてもらいたいくて」

「あんっ?どう言うことなんだい
あんたはずっと先の世から
来たんだろう…それでもって
両親がいるなんてさ…」

役目を終えすでに暗闇が
この地を覆い始めた頃
ヨンとウンス
それに両親と叔母…チュンソクと
トクマン、テマンらがマンボの店を
訪れていたのである。
マンボ兄妹が摩訶不思議と
首を傾げるのも無理はないのだ。
先の世から簡単に出入りできるもの
なのかと、思うのも無理はない。

「深入りするな。
込みいった事情と言うものが
あるのじゃ。そんな事より
クッパを頼むぞ」

旧知の間柄にあるマンボとチェ尚宮
そんなチェ尚宮が眉間に皺を刻み
睨み付けるとマンボ妹は
すごすごと厨房へと姿を消し
ぶつくさと小言を連ねながらも
直に人数分のクッパを盆にのせ
運んでくる。

「はいよ。クッパお待たせ。
是非食ってみな、先の世でも
旨いっと評判間違いない
自信作なんだからね」

「まぁ…あなた頂きましょう。
美味しそうだわ」

「オンマ、どう?」

母親が熱々のクッパを一口含むのを
見届けるやいなや、ウンスは
不安顔をさせながら
母親の顔を覗き込みそう問いかけて
いた。

「モグモグ…あ、熱い・・・
でも美味しいじゃない!
私たちの世でも真似の出来ない
絶品よ!シンプルな味なんだけど
素材の持ち味を生かしていて
好きよこの味」

「でしょう!?
私たちの所では辛味が主流だけど
素材そのままの味がこんなに
美味しいだなんて、こっちに
来てはじめてわかったのよ。
うふふっ」

自慢気に胸を張り
ウンスは微笑む。

「ウンス…我々も熱いうちに」

「うん、あ、うっそ~」

そう目元を緩め話すヨンでは
あったが、ウンスのクッパを
口に含み微笑み返していたのだ。

「またっ!全部食べちゃう気。
いやよ、返してっば~~」

ぷぅ~っと頬を膨らませ
丼を奪い返し、一気に口に
放り込むと。

「あっ、熱い火傷しそう・・・」

「マンボ!水を早く!」

「まったくさ。
ちょっと待っときな」

すぐにマンボは湯飲みいっぱいの水を
卓上へと置く。
するとこともあろうに皆がおるにも
関わらず己が水を口に含むと
口移しでウンスに飲ませて
見せたのであった。

「た、戯けが!!おまえは正気か!
親御殿の目の前でな、何をして
おるのじゃ!離さぬか!!」

「大、大護軍・・・」

「バシッボコッ!」

いつまでも離れぬ愚かな甥
そう思い込んだ叔母の鉄拳が
ヨンの後頭部へと炸裂する。

「痛っ!!」

すでにうっとり酔いしれていた
ウンスが我に返るとやっと
事の仔細を把握できたのか
頬が真っ赤に染まり
建前上ぷぅ~っと頬を膨らませ
ぼそぼそと呟く。

「も、もぅ~・・・私の旦那様は
見境ないんだから・・・
駄目よ、人前なんだしあなたの体面
が一番大切なんだから・・・」

「そうじゃ!ウンスの言う通りじゃ
馬鹿者が!」

「叔母様…?私達へのメッセージ
っと受け取りましたんですよ。
親としては一抹の不安がないと
言えば嘘になりますから
きっと心配いらないってヨン君は
伝えたかったんだとおもいますよ
うふふ…」

その通りなのである
ヨンには思惑があったのだ。
愛しい娘を一人残し遠い先の世へ
戻る親御殿に「何も案ずる事は
ございませぬ。体面なども
持ち合わせておりませぬ故
ウンスを某に託して下されば
良いのでございます」

その強い思いがヨンを
そうさせていたのであった。


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