鈴蘭  6 | シンイ二次小説でんべのブログ

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チュホンがのどかに草をむしる
姿を近くの水辺で眺めるヨンと
ウンス。
テマンは邪悪にならないようにと
チュホンに水を与えながら
甲斐甲斐しく世話を焼いている。
その胸のうちは小躍りしたい程
嬉しいのだ。それが証拠に
でれでれっと締まりのない顔を
している。

「ねぇ?なんで天門が
開いたのかしら?
貴方が天門を潜った翌日、私は
天門を潜り戻って来れたのよ
二日続けて開くなんて
あり得ないんだけど、それと
チュホンはそばにいたはずなのに
いつの間に貴方を見つけたの?」

「何故気づかす四年も無駄にした
のか、俺は唐変木なのか」

ヨンは独り言のように
ぼそぼそと呟き
悔しそうに唇を強く噛む。 

「えっ?どういうこと?」

「イムジャ…驚かず聴いて
欲しい・・・天門は俺なのだ
俺が欲するままにどこであろうと
天門が開く・・・なれど
開いたならば行かなくてはならぬ
定めであり、俺を必要とする何かが
そこにはあるのだ。
昨日もイルボンに俺が呼ばれ
戦をしておったのだ。
もっとはよう気付けば無駄な
年月を過ごさずイムジャと
離れることもなかったと悔いて
いる・・・」

「へっ?貴方が天門??
本当に?・・・そうなんだ
・・・貴方!?それが本当なら
私と貴方と・・・いや…今は
口にはしないわ。その時が
きたら教えてあげる・・・
それでこれから私はどうすれば
いいのかしら?貴方に会いたくて
何度も天門を潜ったんだけど
・・・・・」

「イムジャ…?俺のそばに・・・
俺の正室になってくださらぬか?
イムジャ・・・いやウンス…
俺はウンスがおらなば息も
できぬ程ここが切なく
苦しくなるのだ。
生涯、ウンスを離さず
護りぬく事を誓う故」

「ぷ、プロポーズしてくれたの?
嬉しい~~・・・はい
こんなおてんばな、ちょっと
おばさんだけど構わないかしら
それに頑固者だし、先走る
傾向があるけど…グッ」

互いに向き合いウンスは大きな
瞳を輝かせながらも
その言葉が終わりを告げることが
焦れったくなったヨンが
口づけを交わし
ウンスのよく回る口を塞いだのである
驚きと突然の出来事でウンスの瞳は
見開いていたが
次第にその瞳を閉じていた。
知らね間に頬を伝う涙・・・。

「すまぬ、嫌だったか?」

「ううんっ・・・嬉しくて
恥ずかしいんだけど、こうなる事を
夢見ていた気がするの・・・
貴方を初めて会ったあの日から
…だから嫌なんかじゃないの
嬉し涙なの」

「・・・ウンス・・・」

その呟きに、ヨンは安堵の表情を
浮かべるとその大きくごつごつとした
指先を不器用に動かしその涙を
そっと拭うとその胸に囲い
ぎゅっと力を込め抱きしめていた。

「都へ戻りましょう
幾分古い屋敷ではありますが
共に住まう所はあります故」

「はい・・・宜しく
お願いします。返品は許さないわよ
浮気も認めないから…うふふっ」

「望むところ、ウンスも俺以外
よそ見せぬよう…いいですね?」

互いの言い分を口にし
ふたりは再びチュホンに
股がり、都を目指し
駆け出して行ったのであった。
テマンはと言えば、都へ向かう
道中で、馬を一頭調達してもらい
嬉しそうにチュホンの後を
追いかけて行ったのである。


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