生きる意味(最終話) | シンイ二次小説でんべのブログ

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「カット」

その声は長い長い一日が終わりを
告げる救いの声であった。

「侍医よくついてきてくれました
ご苦労様でした」

「いゃ、ウンス医員の的確な指導の
お陰にて・・・王様もご無事で
何よりでございました」

「まだまだ予断は許されないけど
第一山場は無事に乗り越えたようね
王様も良く頑張りました」

医員として目覚めた折から
王様への蟠りも徐々に解消され
今ではそばにおるときも
以前のような身体を硬直させる
ようなことも少なくなっていた。

「生きる意味」
この言葉をずっと考えていた
ウンスは、無事に医員となり
前世の記憶こそ朧気で曖昧ではあるが
この為に、この世に生を受け
生まれてきたのだと確信を
もったのである。
その瞳は強い意思を持ち
これから幾度となく訪れるで
あろう困難にも決して挫けず
立ち向かうそんな決意の表れの
ようにも思えるのである。

「王妃様に知らせてきますね
少し抜けますが、頼んでも
良いかしら?」

「はい、お任せください
ウンス医員もお疲れでしょう
休まれては如何です?
あとはお任せ頂ければ良いのです」

「ありがとうございます
では、仮眠取らせてもらいますね
変わった事があればすぐに
知らせてくださいね」

「お任せください」

こうしてウンスは典医寺の診療棟の
一部に誂えた手術室を後にし
王妃様が待つであろう控え室へと
歩を進めるのであった。
無論長丁場になった為か、異義を
唱えていた重心らの姿はなく
一人、ウンスの身を案じ柱にその身を
委ね待っていたヨンだけである。

「ウンス!」

「えっ!!驚いた~
待っていてくれたの?」

「あたりまえであろう
我が妻が王様のお命を救うべく
精根使こうておる折、ひとり
屋敷に戻れる訳なかろうに」

「ありがと…手術は成功よ
あとは感染症に気をつけるよう
頑張ってみるわ…それでね
申し訳ないんだけど暫く
屋敷には戻れそうにないのよ」

「ウンスが戻れぬならば
俺が部屋を用意する故
ともに休めばよいのではないか?」

「うふふ、ありがとう
とにかく王妃様に容態を知らせて
くるわね」

「送る。王妃様は坤成殿故」

ヨンはそう呟くと細腰をぎゅっと
引き寄せ、愛しい妻に労いの眼差しを
向け、その額に唇を落とす。

そして二人は坤成殿へ歩を
進め、互いに見つめ合い時に微笑み
時に身振り手振りを交え痴話喧嘩を
始める始末である。
そんな時ふと目をやれば
武閣氏の長でもあり王妃様付き
尚宮でもありチェ・ヨンの叔母でも
チェ尚宮が渋い顔をしこちらに
駆け出してきている。

「これ、お前たち夫婦喧嘩を
しておる場合か?
王様のお具合は如何なのじゃ
・・・王妃様も案じておられる故
はようご報告にあがらぬか
馬鹿者が!」

「す、すみません。この人が
一緒におると譲らないもので」

「はぁ~くだらぬ…まったくくだらぬ
とにもかくにも王妃様が
お待ちじゃ…ウンスはよう参られよ」

チェ尚宮の剣幕にたじろぎながらも
二人は坤成殿へ、王妃様の元へと
急ぐのである。


「王妃様?こんな夜更けまで
お待ち頂きすみませんでした
王様はご無事でいらっしゃいます。
よく堪えてくださり王妃様を
残し旅立つなんてできないとの
強い意思をその御体から読み取る
事ができました。
あとは感染症に注意を払い
ご様子に変化がなければ
抜糸が済み次第典医寺から
御部屋の方にお戻り頂きます」

「そうか…そうか・・・
王様は妾を残しては逝けぬと
・・・クスン・・・クスン・・・
ウンス?そなたのこの手が王様を
お助けくだされたのじゃ
恩に着っておる」

瞳に溢れんばかりの涙を
おためになり王妃様は
ウンスの手をそっと握りしめ
感謝の言葉をのべられていた。

「王妃様…ありがとうございます。
でも医員としてあたりまえの事を
したまでに過ぎませんので
どうぞお気遣いなさらないで
ください。うふふ」

「ウンスらしいのぅ~
これからも良しなに頼みましたぞ
妾は王様にお会いできぬか?」

「はい、手洗いをしっかり
していただき着替えをなされて
なら、少しの時なら構いませんが
王様はお目覚めではないと
思いますが」

「構わぬのじゃ
お側に居て差し上げたいのじゃ
チェ尚宮支度を」

こうして王妃様を御守りするように
武閣氏が回りを取り囲み
その筆頭には勿論長である
チェ尚宮がにらみを利かせながら
王宮回廊を暗闇に紛れ込み
闊歩するのであった。

その最後尾にはヨンとウンスも
並び、二人手を繋ぎ
その列に続いたのである。

「王様?妾でございます
ようございました・・・ほんに
ほんにようございました」

典医寺につきウンスから
差し出された衣に身を纏い
口元を白い布で覆い、王妃様は
王様のお姿を目の当たりにし
そう呟くとそのお身体に
想いが溢れ抱きつかれたのである。
すると意識のないはずの
王様の腕が動きその背をぽんぽんっと
擦りだしたのである。

「チョ、王様??妾が分かるので
ございますか」

「・・・いたい・・・」

「す、すみませぬ・・・されど
妾は嬉しゅうてなりませぬ」

「うふふっ…王妃様?王様は
まだまだお辛いはずですよ
やすませて差し上げてくださいね」

「そうであったの・・・
王様?妾がお側におります
お休みくださいませ」

瞳で合図を送るように
軽く瞬きされ、王様は
再び深い眠りに落ちていったので
ある。
その後王妃様はそのお言葉通り
付きっきりで手厚い看護をされ
抜糸が済んだあとは王様を
坤成殿へ招き入れ、ウンスの助言
もと、体力の回復に務められた
のである。

一方ヨンとウンスと言えば
王宮の一室を仮に住み家とし
精根を注いできたのだが
ようやくその役目から
解放され、屋敷へと戻って
いったのであった。



・・・・・

皆様おはようございます。

「生きる意味」
無理やり感はたたありますが
完を迎えました。
まだまだ伝えたい描きたい描写は
あったのですが・・・
どうも描写下手ですみませぬ。
お付き合いありがとうございました。

今後ですがどうしましょう??
何にも考えていないのです。
とにかく考えてみますね。

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