生きる意味(動きだす時)71 | シンイ二次小説でんべのブログ

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寝台に横たわるそのお姿は痛々しく
あちらこちらに血だまりが点々と
つき、そのお顔も吐血により
汚れている。
傍らには王妃様も付き添い
その手を懸命に擦りながら
御言葉を掛け続けていたのだろうか
その瞳が濡れ頬を伝った形跡が
みえる・・・。

「ウ、ウンス・・・王様を・・・
王様をお助けくだされ・・・クスン」

「王妃様・・・気を確かにお持ち
くださいませ…王様のご様子を
診させてもらいますね
侍医宜しくお願いします」

そのお身体に触れる事が許されるのは
典医寺の長である侍医のみ。
それはウンスも理解している
様子である。
離れがたい王妃様の腰に手を
そっと添えたち位置をかえる。

「侍医頼みましたぞ
王様のお命は・・・この地の宝じゃ
妾にとっては幼き頃より
恋慕っておった唯一無二のお人・・・
ほんに・・・ほんにお頼みします」

「王妃様・・・最善を尽くさせて
頂きますれば、別室でお待ち
ください」

侍医の言葉にコクりと頷くと
お付きの女官やチェ尚宮とともに
静かに退席される。
チェ尚宮はウンスをちらりと
見ると「頼んだぞ」っと
唇を動かすのであった。
それに応えるようにウンスも
大きく頷き返す。

「ウンス医員、では助手を」

「はい」

脈は僅かに触れる程度・・・
吐血もかなりあったと思われる。
そんな中、王様が再び盛大に吐血を
され、あたり一面血の海と化し
ちっぴり驚き眼を見開くウンスで
あったが・・・そこは医員であり
冷静に対応できていた。
吐血により窒息せぬようにと首を
僅かに傾け吐くだけ吐かせる
処置をとる。
他の医員はと言うと
あたふたするばかりでなんの役にも
たちそうにない。

「侍医?ちょっとお腹を押して
もらえますか?」

「は、はい」

「そ、そこを軽くね軽く」

侍医が押さえる患部は腎臓あたりだ
押さえる度に口の端より
吐血が流れる。
意識がないはずの王様が苦痛に
顔を歪めだしていた。

「腎不全かも知れないわ
吐血そして、腎の臓辺りを
押さえると痛そうにみえるわ
侍医、開腹します
準備をお願いできますか
私は王妃様に知らせますから」

「で、ですが王様を開腹などと
外の者らがお許しになるか
どうか・・・」

「命を救う為に一刻を争います
つべこべ言ってられませんから
早く準備を!」

ウンスはそう語尾を強めると
戸口を開け、側で待つ重臣らと
王妃様がその目に止まり
その前へと歩を進め
一礼すると口を開く。

「王妃様・・・一刻を争う状況です
ので、王様のお身体にメスを
入れることをお許し願いますか?」

「な、な、何を言うておる!!
メスとは近頃典医寺ではやりと
ゆうておる、人の腹を裂き
縫うというあれか!
そのような妖術の類い認める
訳がなかろう、恐れながら王妃様
このような戯れに耳をおかしに成らず
祈祷を行いなされては
如何でございましょう」

「あらっ、祈祷などで人の病が
治るとでも?頭おかしいとしか
言えないわね。王妃様?
ご決断をお願いします。
必ず助かりますとは言えませんが
努力を惜しむことは致しません」

その力強い眼差しは医員のそれであり
誰も口を挟む余地はないかにみえるが
・・・である。

「お、王妃様!御祈祷を」

「恐れながら王妃様…某から
申し上げたき義がございますれば
御聞き届け頂きくだ」

「もうしてみよ」

「はっ!ありがたき幸せ
・・・我が妻は王様のお命に
重きをおいておりますれば
必ずやお助け下さいます
祈祷などと申す重臣に耳を貸さず
我が妻を信じてくださいますよう
お願い申し上げます」

ヨンの言葉に眼を見開き
語尾を強め、重臣は異議を口にする。

「な、何を戯けを申すか!
このわしを愚弄するつもりか
王様に万が一あらばそなたも
奥方もたたではすまぬが
それでもよいのだな!」

「黙りゃ!口を慎まぬれよ
すべては妾が決めるのじゃ
・・・ウンスゃ、行きなさい
王様をお頼みします」

その言葉にウンスはこくりっと
頷くきヨンと瞳を交わし
僅かに笑みを浮かべ
王様の私室へと踵を返す。
長い長い一日になることは
間違いないのである。


・・・・・


皆様おはようございます。
更新があきましたこと
お詫び申し上げます。

年末年始は帰省の為
本編は年内最後の更新に
なると思います。
あ!年越しイベントは
予約投稿してますから
時間通り行いますから。

ポチっとして下されば嬉しいです



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