生きる意味 44(模索) | シンイ二次小説でんべのブログ

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「侍医はおらぬか?」

「おや護軍、こんな夜分に
如何されましたか?」

「・・・人を雇う気はないか
・・・俺の奥なのだが・・・」

「おやまぁ~奥方様は元の姫君では
ございませなんだか?」

「遠縁なのだがちいと訳が・・・
薬医員の見習いで構わぬのだが」

役目を終え半刻をすぎ
辺りはすでに闇の中
現れた侍医も年の頃は三十路を
過ぎたであろうと思われるおのこの
色気(いろか)をぷんぷんっと
漂わせ、はだけた胸元も
以前のウンスならばセクシーっと
思うに違いない。
避けねばならぬ相手か・・・
そう思うのだが、にこにこと
笑みを浮かべ客をあしらうウンスを
思えば典医寺の方が護衛と言う
大義名分の元、己も様子伺いに
脚を運べる、そう思うヨンである。

「構いませんよ、ちょうど
市井の女医を雇うようにと
王様に願い出る所でこざいました
重臣らの奥方がたまに旦那様と
御見えになられるのですが
肌を晒すのを拒まれつい先日も
手遅れになってしまったので
ございます・・・風邪を拗らし
肺の病でございましたが…」

「そうであったか・・・
ならば明日にも連れて来よう
良しなに頼む」

「ええ…お任せくださりませ
このグンソクに!」

にやりっと口の端をあげ
ヨンを見つめる眼差しに裏は
ないのか…それはまだ分からない
のである。



「お帰りヨン」

「ああ…遅くなりすまぬ
もう寝ておるのかと思うて
おったが、待っておったか?」

玄関を開けたヨンのもとへ
たったったっと小走りで
駆け寄りぱふんっとその胸に
収まるウンス。
その愛らしい姿に役目の疲れも忘れ
目元が緩むヨンである。

「寂しくて…待っていたの…」

「・・・明日より典医寺へ共に出仕
する事となったが良かったか?」

「うっそ~~典医寺って医員?
私にできるかしら・・・心配だわ」

抱きしめたウンスが不安気に
瞳を揺らしヨンを見つめ顔を
あげる。

「案ずるでない、ウンスならば必ずや
人の痛みに寄り添える医員と
なるであろう…俺はそう思うが」

「そうかな…ヨンが言うんだから
きっとそうなるのかな
確か前世は医員とか言ってなかった
かしら?」

「・・・」
『ウンスゃ…そなたは身も心根も
人の痛みに寄り添えるよい医仙で
あったのだ・・・思い出して
欲しいが、俺を置いて先に逝った
真実を知るのが恐ろしくもあるのだ』

こうしてウンスは典医寺で
医員見習い、はたまた
薬医員見習いのどちらかで
新たな一歩を踏み出すのである。



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