生きる意味(甦れ) 1 | シンイ二次小説でんべのブログ

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近衛隊長チェ・ヨンと
その仲間、所謂迂達赤と呼ばれる
その精鋭らは元よりの勅旨により
幼き頃、元に忠誠を誓う目的で
王族のひとりとして人質として渡った
そのお方を迎えるべく国境で
御輿を三台迎え入れ
高麗の地へと戻りつつある。
新たな王、その妃、そして
叔母の強い薦めにより
新王の妃の親である
魏(ぎ)王の遠縁にあたる王族を
正室として迎えたチェ・ヨン。
生きる意味を見失いこの役目と
我が正室を迎えるなど、何の
興味もないこの隊長…愛馬に跨がり
その瞳には力もなく
ただただ都を目指していたのである。

「隊長?しばし休息をとりませぬか
新王もお疲れのご様子にて・・・」

「・・・すきにすればよい
近衛の隊長は実質的にはお前で
あろう…チュンソク」

「はぁ・・・」

なんとも愛想のない応えである
なれど腕はそこら辺の武将より
何倍も強く向かうところ敵なしで
あった。

懐奥深く忍ばせし書簡…この役目を
終えれば王宮を退いてもよいと
廃位された幼き王よりの御言葉が
認められていたのである。
それを濃紺の衣も上から押さえ
愛馬から面倒くさそうに
降りると、生憎の雨の中外套を
深くかぶり近場にある木の根元に
腰を降ろす。

「テ、テジャン!…お、おれ嬉しい
です。テジャンが嫁さんを
もらったからおれの姉さんが
できましたから!」

「・・・」

白い歯を見せ近寄るのは
山猿のように俊足であるテマンである
迂達赤ではないが己の私兵として
山で出くわし、その澄んだ瞳が
気に入り雇いいれたのである。
戦で親も兄弟も失い天涯孤独の身の上
でありある意味共感できたのかも
知れないが…それからは
隊長のそばを片時も離れることなく
戦であろうがなんであろうが
常に行動をともにするのが生き甲斐と
なったテマンである。

「・・・テマン?先はながい
身体を休めよ・・・」

「は、はい」

肩を竦め立ち去るテマンの気配を感じ
隊長である男は目を閉じたのである。
浅い睡眠には慣れている。
戦に赴けばいつ何時敵の奇襲が
あるかわからないのである。
熟睡していては次に瞼が開くことは
保証できないのであった。

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皆様ご無沙汰しております。
更新がないときもお寄りくださり
本当にありがとうございました。

で、新たなお話を描いてみました。
え?ヨンの正室??と
思われたとおもいますが
この話には後程に明らかにされる
謎があります。いつもなら
先に明らかにしていましたが
今回は秘密にしたいと思います。
ハラハラドキドキでお待ちください
ね~~~(お前も悪よのぅ~)(笑)

毎日更新できるかは分かりませんし
短めですがお付き合い下さいませ。


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