もうひとつの木春菊 23 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「もう~そうだったの?ソマン・・」

黄泉の国を散策して回り
五日ほど過ぎると、無事に戻った
祖父母をソマンが掴まえ
身振り手振りを交え懸命に伝えて
いる。
そこには慶昌君媽媽の姿も見える。

『相変わらずでございます上護軍・・
まぁ~某は尻に敷かれておりますが』

「チュンソク!何か申しておるか?」

「はっ・・・いや別に・・・」

『そうであった・・・上護軍も読功を
身につけておったのだ・・・』

「えっ?護軍?どうしました?」

しまったと顔をしかめるチュンソクに
対しトクマンから呑気な声がかかる。
無事に警護と言う大役を終えた
解放感からいつものトクマンに
戻ったようである。

「慶昌君様・・・お会いしたかった
・・・何度行ってもお会いして
頂けなかったから・・・
あの時は助けられなくてほんとうに
ごめんなさい・・・。」

「いいんだ…ぼくの寿命だったんだ
それに・・・こうして会えた
ヨンァ?息災でおったか?」

「はっ!媽媽もお変わりない
ご様子にてこのチェ・ヨン
安堵しております・・・あの折・・」

「みなまで申すでない。
あれはぼくが望んだこと
決してヨンが悪いのではないぞ
だから気にするでない」

「媽媽・・・」

ヨンが近衛隊長として赴任した当初
は、 恭愍王の兄にあたる王様が
いらしたのだが・・・
その跡を継ぐ形で慶昌君媽媽が
幼くして王位に就任されたが
恭愍王を擁立し思いのまま
操ろうと目論んだ元の命により
粛清され江華島へと
幽閉されてしまった幼い王様である。

兄とも慕い続けたチェ・ヨンと
黄泉の国ではあるがこうして
再会できたのは、喜ばしいことに
違いない。
ウンスの調子外れの歌を聴いた折の
ように満面の笑みを浮かべていた。

「ぼくは二人と暮らすことになった
いつでも遊びにこれるんだ
ヨンァ?いいだろう?
おっ、ヨンァと姉さんの子か?」

「えぇ~、ソマンって言います
宜しくお願いしますね…ソマン?
ご挨拶しなさい」

「あぃ!こちはっ(こんにちは)」

ソマンはぺこりっと頭をさげ
中指と人差し指を立て胸を張っている

「おぉ~賢いな…歳が言えるのか?」

「慶昌君殿…ソマン殿は神童と
言われて過ごしたのだ
上護軍亡きあと高麗を民を
ヒヨン殿と身体を張り守って
くれたのだ・・・今は何らかの
願いにより幼子姿ではあるが
余は武者姿も凛々しいソマン殿を
この目に焼き付けておる
むろんヒヨン殿の姿もじゃ
感謝しておるぞ」

「王様・・・ありがたきお言葉
恐れ入り奉ります。
兄ソマンに成り代わり御礼
申し上げます」

ヒヨンが片膝をつき頭を垂れる
その横でソマンもぺこりと頭をさげる。
頭を上げたソマンが・・・。

「すんじゃ~~、すんじゃ~~
とと・・・かか・・・すんじゃきた!
いくいく~!」

「えぇ~何にもわからなかったわ
ソマン?ほんとうなの?」

「いく、いく~~」っとぐぃぐぃ
ウンスの手を引くソマン。

「ウンス?迎えてやらねば
チュンソク?サムをつれて参れ
王様…しばし席をあけることを
お許しくだされ」

「よい、構わぬ・・・迎えてやらねば
彼処は迷子になりかねぬ故
積もる話もあろうが、慶昌君殿?
次の折にいたそう」

「叔父上…構いません
ヨンァ?迎えに行ってやれ
さみしい想いをしているはず
また寄らせてもらう」

「王様、慶昌君媽媽
心遣い誠に忝なく・・・
では行って参ります」

「気をつけ参れ、夜道故のぅ~
そうかスンジャも参ったのじゃな
はよう会いたいものじゃ」

「叔母上?留守を頼めるか?」

「あぁ…任せろ」

「では王様、王妃様失礼いたしますね
 慶昌君様も…日を改めてゆっくり
致しましょう・・・ふふふ」

ヨンとウンスはチュホンに跨がり
ウンスの腕の中にはソマンが
ちんまり収まりチュンソク、サムもまた
馬に跨がり黄泉の国と下界の境目で
あるあの小川へと向かうのである。


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