下界の折と何ら変わらぬ
往生際の悪い性根は変わるどころか
死しても尚、己の保身だけが
大事なようであった。
そんな徳興君にヨンは・・・
「問答無用!!ソマン、ヒヨン!
加減不要、闇が渦巻く地獄へと
押し戻す」
「父上様お任せください」
「ヒヨン、ソマン
敵わぬと踏んだなら迷わず逃げよ
よいな!」
「ふっ・・・逃げるなど
父上?我々はもう斬られ命を
落とすことはないのでございます
魂が続く限り闘います」
「兄上!同じ想いにございます」
「・・・ふっ~、我が子ながら無鉄砲
な奴め」
そう呟くと、ヨンの口の端が微かに
上がりヒヨンが口にしたように
魂を込め雷功を「ドカ~ンッ」放つ。
見事にキ・チョルに
命中するが、一人の力では
打撃は弱いようである。
「この程度痛くも痒くもないわ
チェ・ヨン、現役のそれとは
違うではないか!ふっ・・鍛練を
怠る故そうなるのだ・・」
「・・・」
「父上を貶めるなど嫡男として
聞き捨てならぬ!ヒヨン行くぞ!」
ヨンの放ち弱まりつつある
雷功を後押しする形でソマンと
ヒヨンの雷功が炸裂する。
「ひぇ~~っ」っと情けない奇声を
溢し闇が渦巻く地獄へと
徳興君もろとも吸い込まれて行った。
「ふっ~~・・・ソマン、ヒヨン
忝なかった、父が不甲斐なかったのだ
すまぬ」
すべてが終わりあとわずかで
日が昇るであろう刻限のようで
東の空が白々と明けてくる。
「ソマン!ヒヨン!」
闇が渦巻く地獄の門を背に
三人が戻るのがまち通しいのか
ウンスは駆け出す。
その後をテマンが困り顔を浮かべ
追いかけてくる。
「奥方様!駆けては駄目です」
「だ、だってヒヨンまで
いるのよ。待ってなんていられないわ」
「母が待っておる参るぞ」
「はい…母上様~~お会いしとう
ございました~」
「ヒヨン!ずるいぞ~兄とて
暫しの間しかこの姿では
おれぬのだ~母上~~」
満面の笑みを浮かべ駆け出す
倅ソマンとヒヨンの背を見送ると
ヨンは・・・「ちっ」っとすると
軽功を纏い一気に追い抜くのである。
「ばふんっ」っとウンスが逞しい
胸に囲われ持ち主を見上げる・・・。
「もぅ~~!ヨンじゃない!
なんでよ!!邪魔しないでよ」
ヨンの眉がひくひく上下する・・
「ウンスを抱きしめられるのは
この俺だけゆえ例え我が子であっても
俺は我慢ならぬ」
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くいだおれの町に来ています
旦那の実家です
中途ですみませぬ
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