もうひとつの木春菊 10 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「母上を手土産にすると?」

どうやらソマンは内功を
その身に纏うと摩訶不思議ではあるが
青年の姿に戻れるようである。

その様子を目の当たりにすることが
出来たウンスは・・・
『黄泉の国なのだから何がおきても
不思議じゃないわ…だって
みんな若い姿で
ここにいれるんだから』っと
妙に納得していたのである。
だがそこは母であるウンス
歳の頃は、二十歳ころであろうか
ヨンと背丈も変わらぬ我が息子を
再び目にする事が叶い
涙が溢れでる。

「ソマン!気をつけるのよ
その人は確か…ひ、氷功を使うわ
自身の氷功が身体を蝕み事切れた筈
触れてはだめよ!」

「母上~!氷功と申されたので
ございますか?されど御案じめされる
ことはありませぬ…父上を呼び
もう直こちらに参るはずです
二人が力を合わせれば・・・ん?」

『お二人だけではありませぬ…』

そう…ヨンとウンスの次男ヒヨンが
兄であるソマンの後を追うように
黄泉の国へと降りたったようである。
ともに読功の遣い手である二人は
すぐに互いの腹を読んだようであった

『ヒヨン?そこから右の方角にある
兄の気を探れ父上も直に参るはず
急ぐのだ』

『兄上…畏まりましたすぐに
着くことでございましょう』

『あぁ、頼むぞ!』

ヒヨンがみなが再会できた
あの小川を軽功を纏い一気に飛び越え
ていた頃、ソマンの口の端が
微かにあがる。

「母上~?、ここでは武器は
もてませぬ故そのおのこは何もできぬ
筈、おとなしくしていてくだされ
すぐに片付けます故」

「ウンス!」

「ヨン!!」

その声にウンスの強張る肩が
すとんっと落ちたのは気のせいか。
口では強気のウンスではあったが
やはりか弱い女人なのである。

ヨンはソマンとウンスの気を感じ
チュホンの背から颯爽と飛び降りると
瞬時に徳興君とウンスの目の前に
姿を見せる。慌てふためき
ウンスの首を締めようとする徳興君に
ヨンは下界と変わらぬ力強い
蹴りをどんっと食らわすと
「わ、わぁ~」っと奇声をあげ
キ・チョルの足元までぶっ飛ぶ。

「キ・チョル!!余を助けよ」

「徳興君殿?相も変わらず・・・
下界で武術を身に付けておれば
よいものを・・・そなたの命綱で
あった毒はこの世では
存在しないのじゃ分かっておるのか
まぁよいわしの背に隠れておれ・・・
チェ・ヨン!わしの氷功に
勝てると思うてか!!
下界での最後の争いを記憶しておろう
そなたはわしに負けた筈!」

キ・チョルが声をあらげる中
ヨンはウンスをその胸に囲い
強く抱きしめていた・・・。

「ごめんなさい…私が
信用したばかりにみんなに迷惑を
掛けてしまって・・・」

「仕方あるまい…それがウンスなのだ
から」

「でも…あの男に勝てる?
鬼剣もないのよ・・・」

「ウンス?貴女がおれば俺は負けぬ
俺は鍛練を怠っておったのだ
そのせいでウンスを見失う所で
あった…すまぬ」

「えぇい!わしの話を聴いて
おらぬのか!忌々しい奴等め」

いつまでもいちゃつく二人を
目の当たりしキ・チョルの
声が裏返る。

「ソマン!そやつに触れてはならぬ
チュンソク!ウンスを頼む」

「はっ!奥方様こちらへ」

「えぇ…ヨン?信じているわ
必ずおるべき場所へ送り返して
ちょうだい…」

チュンソクが促すとウンスは
少し離れたところへ移動する
そしてウンスを囲むように
チュンソク、テマン、トクマン
トルベ、チュソク…武器はなくとも
下界でヨンの地獄の鍛練を積み重ね
腕に覚えがある迂達赤が睨みを利かす。

「父上…」

鬼剣はなくともヨンのその形相は
戦の折、敵と対峙する鬼の形相と
何ら変わりはなかった。
息子であるソマンでさえ一歩二歩と
後退りするほどの圧を感じるほどで
ある。

「父上?直にヒヨンが参りましょう
三人力を合わせれば氷功など
恐るるに足らずそうでございましょう」

「・・ヒヨンの気は感じておったが
ソマンとヒヨン、一日で二人も
黄泉の国へこようとはな・・・
喜んでよいものやら…複雑な心境で
あるな・・・ソマン?気を抜くで
ないぞ!」

「はっ!」

キ・チョルに触れぬよう二人は
間(距離)をあけヨンもソマンも気を
丹田に集めだすのであった。

二人の雷功が絡み合い
より頑強なものへと形を変える。
まるで雷功が意思を持つように
縦横無尽に走り出す。
そして二人が一歩前へ進むと
もうひとつの雷功がそれに絡まる
ようになる。

「父上様…遅れてすみませぬ」

「・・・ソマン!ヒヨン!参るぞ」

「「はっ!」」



≫≫≫≫≫

えっとソマンが黄泉の国に来てから
まだ一日が過ぎていません・・・ガーン
ヒヨンも来てしまいました~びっくり
どうするよ!笑い泣き


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