もうひとつの木春菊 2 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ソマン~?とともかかもそちらへ
行けないのよ~勇気を出して
小川を渡ってちょうだい~」

「いや~いや~こっっわぁい」

ソマンはくびを左右に振り
両腕をあげ抱っこをせがんでいる。

「ヨン?どうしよう・・・いくら貴方
でも中洲までしかいけないのよ」

「・・・されど・・・
ん?まて・・中洲まで渡り丸太でも
渡せれば」

ヨンはあたりを見回し
丸太らしき物を探すが・・・。

ウンスはふと思うのである。
自身は生のあるうちは
生涯優秀な医員ですごしていた
その経験から思うに
対岸の向こうにソマンがいると言う
ことは今ソマンは下界では
生死の境をさ迷っているのでは
ないかと・・・。
このまま下界へと戻すべきかと
考えあぐねてしまうのであった。

されど・・・幼き頃の姿を二親に
みせたと言うことはソマンの意思に
任せることに決めた。



その頃下界のソマンの枕元には・・・
長年連れ添ったチュンソクとサムの愛娘スンジャと二人の間の
子らと孫らとともに、ヨンとウンスの
次男であるヒヨンがソマンの名を呼び
涙にくれていた。

「貴方?先に行くのでございますか
生涯私を御守り下さると言って
くれたではありませぬか?・・・」

「母上…父上の穏やかなお顔を
ご覧下さりませ、きっとお祖父様
お祖母様にお会いになられて
おるに違いありませぬ
上護軍の職も賜り、役目を果たして
黄泉の国に参られるのです
戦ばかりの世で命をすり減らしたに
違いありませぬ・・・父上?
ゆるりおやすみくだされ
国を王様を家族を御守り下さり
ありがとうございました。
チェ家の教えは生涯忘れず
子孫に伝えて参りますゆえ・・・
そして母上のことはこの俺が必ず御守り
致します」

と、寝台の端で深く頭を垂れる嫡男
老衰である。
国を王様を家族を守り
父であるヨンから引き継いだ
チェ家を繁栄させ今旅立とうと
していた・・・。意識のないはずの
ソマンの目尻から零れる一筋の涙。

「あなた!」「父上!」「お祖父様」
「兄上!」

家族に見守られソマンは旅立つ。



「とと~~、ソマンかわわたる」

「そうか…ソマンお役目ご苦労で
あった。父がここで待っておる
川など恐れずここまで参れ」

中洲からヨンは長い腕を伸ばし
ソマンに微笑みかける。
口をぐっと真一文字に結び
ソマンはこの地と下界の分かれ目で
ある小川を渡るのであった。
思い起こせばヨンはなんの躊躇いも
みせず愛しいウンスを目に留めた
途端境目であるこの小川を飛び越えて
いたのであった。

「とと・・・」

「ソマン?達者で生を全うしたのだな
ご苦労であった」

ヨンはそう呟くとぎゅっとソマンを
胸のうちに抱き締め踵を返し
ウンスが待つ対岸へと渡る。

「ソマン・・・ソマン・・・クスン」

ヨンの胸に抱えられたソマンを
目の当たりにするとウンスは
愛しい旦那ごと両腕を回し抱き締める
いずれはこうして黄泉の国で
再び会えていたのだろう
それが遅いか早いかの違いである。
王様の剣として生涯を終えたと
ウンスは思うのである。

「ソマン…お祖父様お祖母様、叔母様も
待っていらっしゃるわ
行きましょう」

「おばば?」

「そうよ・・・お役目ご苦労様
なぜソマンが幼い姿をみせて
いるのかはわからないけど
きっと意味があるはずだから
それを見つけ出さないとね…ふふふ」

ソマンがこくりと頷くと
三人はチュホンに跨がり皆がまつ
屋敷へと戻るのであった。


≫≫≫≫≫

月曜日の更新にたくさんのコメント
ほんとうにありがとうございます。

懐かしい読者の皆様を痕跡から
拝見し、嬉しくなっておりました。
ゴールデンウィークには長い休みに
入ります。それまでは月曜日、木曜日
の週に二回の更新ですが
お付き合い下されば幸いです。


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