愛しき薫りを求めて(過程) 29 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ウンス…腹を壊す故そのくらいで
おさめよ」

「え~どうしてよ・・・
だって婚儀であまり食べちゃ
貴方に恥をかかせるって思って
大人しくしていたのよ。
お願いよ食べても食べてもお腹が
空くのよ・・お願いよ」

口いっぱいに持ち返った滅多に
ありつけそうにないご馳走を
放り込みいまにも溢れそうである。

「ウンス先生!もしや?」

「え?サンミどうしたの?」

「・・・御懐妊されていらっしゃる
のではありませんか?私の姉も
ウンス先生のような事を言っていた
ような気がしますが」

「嘘?本当に?でも私は医員よ
専門じゃないけど・・・だ、大丈夫
うんうん!もしも授かっていたと
してもな~んの支障もないわ
かえって授かっていて欲しいくらいよ」

そんなことを口にしながら
ウンスはそれでも
その手を止めることはなくモグモグと
ご馳走を口に運ぶ。

「ぬ、ぬな・・・」

「どうしたの?テマン君」

「こ、これ・・・休む時に開いて
ください、俺からお、贈り物です
絶対休む前ですよ今は駄目ですから」

テマンは耳まで朱色に染めながら
その包みをウンスに手渡す。

「う、うん…分かったわ
テマン君ありがとうね」

「「「お~~」」」

中庭から迂達赤の野太い声が上がる
王妃様から言われた刻限頃
王宮の裏山の方角から無数の風灯が
打ち上げられている・・・


「へ?どうしたの?・・まぁ~
綺麗・・・なんて幻想的なの
そうか…たしか新羅?統一新羅?
どっちか忘れたけどランタン飛ばしは
あった筈だわ・・・」

「ウンスの世でも残っておるのか?」

「もちろんよ!先祖を供養する為とか
願い事を書いてあ~やって
天に飛ばしているわよ、見てヨン…
わざわざ私達のために王妃様が・・」

漆黒の暗闇に吸い込まれるように
赤や黄・・色とりどりの風灯が
蝋燭の明かりに照らされ
ふわふわと浮いている。

「禁軍総動員であげておるので
あろうな・・王様、王妃様のことゆえ
国の安泰も願っておるのであろう
されど…確かに美しいが俺は
母の形見を纏ってくれたウンスの方が
美しいと眺めていたが・・・」

「もぅ~ヨンったら!!
みんな見てるじゃない・・・」

戸口に椅子を持ち出し
腰掛ける二人・・
筵に座る迂達赤はちらちらと顔を上げ
二人を見上げるのだがぎろっと
ヨンに睨まれ顔を伏せるのである。

そんな時テマンが風の流れが
変わった事をヨンに伝える。

「テマンも上空の流れを感じたか
このままでは風灯が市井に落ちるやも
知れぬ。テマンすまぬが王宮に
すぐに取り止めよと叔母上に
知らせてくれぬか」

「は、はい!すぐに」

「迂達赤!もうしまいじゃ!
急ぎ市井へ散り落ちる風灯を拾い
集めよ!大火だけは食い止めねばならぬ
俺らの祝いの為に民を苦しめる訳には
いかぬ。チュンソク頼めるな?」

「はっ!大護軍お任せを」

一斉に散り散りになり屋敷をでる
迂達赤…その後をサンミ、トイ、メイ
が追う。スリバンであるキチ、チグ
チャミも遅れまいと散り散りに
後を追う。
ウンス付き女官である
マル、ネネ、オモは急ぎ王宮へと
戻って行く。

「みんないなくなりましたね・・
それでは私らも失礼します」

「あ!ナナミさん
待って…食べきれないから
お父様にお土産に持って帰って
滅多に口にできるものじゃないと
思うからきっと喜ばれる筈だわ
サム、アル、ディジーお願いね」

「奥様、すべて包んでも?」

「そうね…貴女方とテマン君の分を
残してあげて…ヨンは食べる?」

「俺はいらぬ」

「私達も頂いても?」

「アル、当たり前よ…うふふ」

厨房へと三人が姿を消すと大きな
篭を用意し手際よくご馳走を
振り分ける。
末っ子であるソウの顔がぱぁ~っと
明るくなると尽かさず三女である
オルや次女のイルムに睨まれ
肩を竦めながらとことこと
長女ナナミの背に隠れる。

四姉妹が土産を手を邸をあとに
すると四半刻ほどでチュンソクが
ひとり戻り庭へと顔を出す。

「大護軍…風灯はすべて集め
潰しましてございます」

「ご苦労であった…皆は
どうしたのだ?」

「はい、兵舎に戻らせまして
ございます・・・ゴッホン・・テマンも
明日昼頃まで兵舎へ泊めおきます故
ごゆるりとなされば・・・」

「やだ・・・」

「チュンソク!!」

「これは口が過ぎましてございます
・・・では某もこれにて失礼
致しとう存じます」

チュンソクは逃げるように
中庭から姿を消したのである。






えっ~と・・・今宵20時に
別館の扉が開きます。
テマンの贈り物・・・ご披露は
その時に(*≧∀≦)人(≧∀≦*)♪

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