愛しき薫りを求め (動きだす時) 12 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています


「なぁ~テマン?もう三年半になるぞ
護軍は戻られないと思わないか?」

「・・・いやだ!俺は信じてる
護軍は俺をひとりにする筈がないんだ
チュホンの姿もずっと見てないから
きっと医仙様を追って行ったんだ
だからきっと二人で戻ってくる
チュホンも一緒にな!」

「いや~護軍はきっと高麗のことなんか
忘れてしまったんだよ、俺はそう
思うよ」

「いくらトクマンだからって
許さないぞ!」

鴨緑江西域の八つの軍事基地を奪還
すると言うとてつもない
王命は果たされた。
だがチュンソクもこの地を
離れがたくきっとお戻り下さると
信じいまだとどまっている。

雨に打たれながら高麗の地となった
天門まえでテマンは待ち続け
見かねたトクマンが、握り飯を
届けてくれていたのだ。
外套をすっぽり頭から被り
ただただ天門の開く兆しを見逃す
まいと、じっと睨み付けるテマン。

テマンはトクマンの一言にきりりと
眉をあげ、胸ぐらをぐいっと掴まえた。

「待てよ!落ち着け・・・俺だって
戻ってきて欲しいさ…でもな
長すぎないか?」

「いや!天門が開かないんだ
それだけだ!そうに決まってる
俺はそれを信じてる。
それに戦が終わってもテジャンが
都へ戻らないのは
護軍を待っているんだろう?違うか
テジャンも上官は護軍しか
いないって思っているんだよ!ふんっ」

テマンは口を尖らせそっぽを向く。
ウンスの世ならいっぱしの成人で
あるが、成長がはやい高麗の世でも
そこら辺まだ青年のまま素直に
感情を露にしている。

ごろごろと雷の音が聞こえ始めた
テマンは瞳を輝かせ雷の方角を
眺める。

「ほら!トクマンがそんな戯れを
言うから護軍が怒っているんだぞ
俺が、高麗をおまえらを捨てる訳が
なかろう!って言ってるに決まってる」

「わ、分かった・・・ごめんよ
テジャンもテマンも信じてるから
俺も信じて待つよ。でもさ
戻れって、王様に言われたら逆らう
訳にはいかないもんな・・・」

「その時は、俺は残るからみんな
戻れば良いだろう?俺は迂達赤
じゃないから問題はないだろう?」

迂達赤の一員なら王命に逆らえば
不敬罪にあたり処罰を受ける可能性も
あり得るが
幸いにして自由の身であるテマンは
じっとその時を待っていたのであった。


一方こちらでは・・・

「王様!天門が開く鍵を掴めたやも
知れませぬ!ご覧下さいませ
これは医仙…いえ姉上様が残された
紙でございます」

「ほう~それで、この図式で
何が掴めたのじゃ?」

「はい、王様…これはもしやと思い
ありとあらゆる古文書を読破した
ところ、その昔天門をくぐったのでは
ないかと言われている華佗と言う
医員がおり、その者の医術が姉上様と
同じでございましてこの世のものとも
思われず、天人ではなかったのかと
ゆえに古文書には、お日さまの黒点が
関係しておるのではないかと
記されておりましてございます
ふぅ~」

突然血相を変え王様の私室に訪れたと
思っていたら、一気に意味が
分かるような分からないような説明を
口にすると
ふぅ~と息をはき汗を拭う王妃・・・

「して、こちらの文字の意味
するところは解くことができたのか?」

卓に広げられた紙にはびっしり
ウンスの世の文字がならび
最後に、二重丸の中に
가을 (カウル、秋)と記されいたが
その文字は解けることはなかった。

「この文字は・・・分かりませぬ
肝要な文字と思われますが・・・」

「そうであろうのぅ~このように
囲っておるゆえ」

「はい、妾もそう思われますが」

それからと言うもの
その文字の意味することを
分かるものは褒美を取らせるっと
王命をだすほど熱心に取り組み
日を費やしていたのである。

そんなお二人の間近でチェ尚宮思う

先の世の文字が分かる者が
現れる筈がないと、されど仲睦まじく
過ごされておるご様子
それは世継ぎを授かる為に
一歩前進したのなら
口にするのはやめておこうと。



その頃遡ること
百年前のヨンとウンスは・・・

日々武官の鍛練にヨンは駆り出される
はめになっていた。
この頃は、崔沆がヨンの私室を
訪れずとも武官数名で願いでるのである

「護軍!鍛練をお願いします」

「はぁ~、またか・・・」

「良いじゃないの…慕われてる証拠
なんだから行きましょう
城壁も順調に進んでいるんでしょう」

いくら慕われてても別れは必ず
訪れる、情が残れば別れは辛くなる。
そう思うヨンでは
あったがウンスに促され
ヨンは重い腰をあげるのである。

ウンスの計算では、天門が開くまで
あと二月(ふたつき)を切った暑い
盛りの昼下がりの出来事であった。


ポチっとして下されば嬉しいです





にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村