木春菊 [託す] 62 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「チェ・ヨン殿もう領主は懲り懲りに
ございます。返上致したく」

「すまぬ。俺が面倒と
そなたに丸投げしておったばかりに
面倒をかけた・・・。」

「妻子と使用人が無事で
安堵致しましたが、万が一あれば
チェ・ヨン殿をお怨みしておりました」

「まったく面目ない・・・
今より領主は俺がなる。都には
文をだすゆえ堪えてくれぬか?
それと…この方が奥のユ・ウンスと
申す」

「初めまして…この人の妻で
ユ・ウンスと言います。色々ご迷惑を
お掛けして申し訳ございません
お怪我などありませんか?
こう見えて優秀な医員なんですよ
腕のいい薬医員が二人もいますから
なんでも任せてくださいね」

すべてが終わり居間でウンスの
顔見せをしている。
この地では朝夕しか食は口にしない
習慣があるが、チェ家では別であり
ウンスに合わせてあるのだ。
ちょうど昼時…イルム、サンミが
忙しなく動き回る。
卓に乗せられた昼餉…特別な物は
ないが心のこもった膳が並ぶ。

「医仙様でございましょう?
こんな鉄原の田舎でも、お名を耳に
しております。」

「そうでしたか…ふふふ
さあ~冷めないうちに召し上がって
くださいませ。奥様もお嬢様も」

「はぁ~。では・・・遠慮なく
目一杯駆け
腹が減っておったんです。」

「そうでしょう…本当にすみません
使用人の方も…あら椅子がないわね
なら…あちらの座卓で…イルム、サンミ
ご案内して差し上げて…
貴女方もたべてよ。」

イルム、サンミが奥の間の座卓へと
使用人を案内しともに腰をおろす。

主と同じものを食うのかと言う
驚きの顔をする使用人をよそに
イルムとサンミは慣れた手つきで
箸を伸ばす。

「滅多にねえけど、奥方様は
嬉しい時…こうやってともに食えと
言ってくださるだ。家族と言って
くださる・・・おらたち幸せ者だ
んだべ…サンミ?」

「ええ…大事にしてくださるわ
ですから、懸命にお仕えし
恩を返そうと思っているの」


「なるほど・・・奥方の人となりが
見えた気が致します。」

「だって…私は身分のない世から
来ているから、使用人なんてくくりは
嫌いなんです。でも…ここでは
通用しないのも分かってはいますが」

ウンスはさも無念とばかりに
肩を落としていた。


一時寛ぎテマンとトクマン
ソウの護衛で遠縁の親子は屋敷へと
戻って行く。

「しかしながら摩訶不思議で
ございました・・・。」

「そうね・・でも言葉は
交わせなかったけど、感謝の気持ちは
伝える事ができたはず
嬉しかったなぁ~~。みんな歳を
とっていなかったんじゃない?。
亡くなられた時のまんまだった
ような気がするわ。チャン先生なんて
背筋もしゃんとしていて
相変わらずイケメンで・・」

「はんっ?いけめんとは確か美丈夫
の事と聴いた覚えがあるが・・」

ヨンの眉がぴくぴくと何度も動き
幾分頬が膨らんだ気がする。

「もう~拗ねないの・・・ふふふ
亡くなられた方に悋気おこしても
仕方がないでしょう…貴方は
永遠に勝てないんだから・・でしょう
生きてる証拠よ。トギも嬉しかった
でしょう?」

『あたりまえだ。ウンスより長く
そばにいたんだから・・・』

トギの指が忙しなく動き
ちらりと、ヨンを覗き見る。

「摩訶不思議ではあったが
侍医やトルベ、チュソク・・
叔母上に会えたのは…真嬉しく
思え、らしくもなく涙を流すところで
あった・・・。」

「ふふふ…貴方も人の子なのね…」

「はん?俺は鬼でも蛇(じゃ)でもない
ただの人なんだが・・・」

「え?…きぁぁっ~~何をするのよ」

突然立ち上がったヨンが
ウンスを肩で担ぎ「解散!」っと
一言告げると閨に引き上げて行った。

脚をじたばたさせながら担がれる
ウンスを見送り
みなはやれやれと言う顔をし
何事もなかったように
それぞれの仕事をこなすのであった。

だがその夜は誰もが興奮し
眠れぬ夜を過ごしたのは
言うまでもない。



翌日早速…

鉄原の地をチェ・ヨン自ら統轄すると
文を出した。
すぐに返事が返ってくる。

「よしなに頼む」とだけであった。

それからと言うもの名将と名高い
チェ・ヨン将軍が本願に退き
隠居している事が、村人に広く
知れわたりヨンは
忙しく時を過ごしていた。
だが…ウンスを片時も離さず
そばにおき、ある時は
膝の上に座らせ唇を重ね
ある時はそのまま組み敷くのである。


短め…すみません。
明日は最終話です・・・。


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