木春菊  [偕老同穴] 86 | シンイ二次小説でんべのブログ

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翌日の事

「トクマン君。昨日はソマンが
お世話になったみたいで
ごめんなさいね。いたずらっ子だから
迷惑かけなかったかしら?」

「め、滅相もございません。
迷惑だなんて。楽しく遊んで
おりました…ただ・・・」

「ただ?何かしら」

「しーしーとおっしゃるのでおしめを
替えようとしたら逃げ出すもので
鬼の話をするとおとなしくなられて」

「おにゃ!」

ソマンの身体がぴくんと跳ねる

「かかっ…おにゃ・・しりかむ。
ぶるぶるこわい・・・」

おしめを嫌がり逃げ回っていた
ソマンが、そう片言でつぶやくと
寝台の上に自らよじ登り
ウンスの前で、こてっと大の字になる

「ふふふ。効果てきめんね
そうよ。お尻を出してると鬼に噛まれ
るんだから、分かった?
おしめが嫌なら早くしーしー教えてね」

トクマンは、昨日のおしめの残りと
着替えを届けに来たのだが・・・
それはある意味口実であるのは
ありありであって…戸口でアルと
見つめ合い肘で突っつき合う。
『ふふふ。こんな時もあったわね』

「・・・あ!とっまん。ちゅう・・」

「しぃ…もう~余計な事は言わないの
おしゃべりが過ぎると、お口も噛まれる
わよ。」

おしめを替えくるりと、寝返りを打ち
戸口を覗くソマンが、ウンスの言葉に
驚き、自分の口を両手で押さえるの
であった。

「イルム、サンミお願いね・・
ソマン?お役目にいくわね。
二人の言う事聞いて良いこに
していてね…ふふふ」

「イ~、サ~と、こまであそぶっ
かかっ?かしのときくっね。…ちゅう」

「そうね。お日様が真上にのぼるころ
顔を出すわよ。ちゅうね・・ふふふ」

寝台の端に腰掛けるウンスの頬に
唇を押しあて、ソマンはご満悦の様子
にこにこ笑顔で、ウンスを見送るので
ある。



「おはようございます。昨日は
ありがとうございました。無事に
赤子を生ませる事が出来ました」

「おはようございます。医仙殿
ポンから今朝聴いておりました
外回転術。お役にたてたようで
ようございました」

「ええ・・イム侍医のお陰で・・・
緊張したんですけど、なんとかやりとげ
られました。ありがとうございます」

ウンスはぺこりと頭をさげ微笑む

「あとからサムのところに
往診に行こうと思うんですが
構いませんか?」

「はい。構いません…ポンをお連れ
ください。あの子も 薬医員として
典医寺の一員ですから」

ポンは薬医員の試験を受け
難関を突破し、いまやトギ付きの
見習いではないのである。

「本当に…一回の試験で受かるなんて
ポンも相当頑張ったと思います。」

『あたりまえだ!誰が仕込んだと
思っている…ふん!』

トギがひょっこり顔を出し
忙しなく指を動かすと腰に手をあて
威張る素振りを見せる。

「ふふふ・・トギらしいわ・・・
じゃあ先に王妃様のところへ診脈に
行ってきますね。」

ウンスは「行ってきます」と
手を振りミントとアルに護衛され
坤成殿へと向かうのである。

「アル…トクマン君とはどう?
まぁ…今朝の様子じゃ心配するのは
余計なお世話かも…ふふふ」

「医仙様…ほんとうにそうなんです
典医寺におっても私室におっても
皆には見えないところでトクマン殿が
隠れているんですよ…でもあの背丈
ですからすごく目立って、私には
すぐに分かるんです」

「本人は隠れているつもりなのね
トクマン君らしいわ…ふふふ
ちょっとすっとぼけてるところが
母性本能を擽られたりするのよね
でも…いまじゃプジャンだから
そうも言ってばかり要られないわよね」

アルは頬を染め、こくりと頷いたり
余計な事は言わないでとばかりに
ミントの口を塞ぐ仕草を見せたりと
忙しくしているのである。

会話を弾ませ気が付けば
坤成殿へとついていた。
王妃様付き武閣氏ヘジンが
ウンスの姿を見つけると一礼し
中へと声をかけ「入って頂け」と
王妃様のお声が返ってくる


「おはようございます。王妃様」

「よう参られた義姉様。
昨日は護軍のややが生まれたと、耳に
し嬉しゅうてのぅ~。」

「はい。王妃様ありがとうございます
無事に女のこが生まれ喜んでいます
先に診脈させてくださいね」

「おたのみします」

ウンスは瞳を閉じ深呼吸すると
気を静め差し出された右手脈に触れる

「ふふふ。お変わりないご様子です」

「義姉様に診て判を押して貰えたなら
と、いままで口にせずおったのじゃ・・
・・・妾ももう一人望んでも
よいかのぅ・・?」

「ええ。王妃様はまだまだお若い
お身体も健康そのものです
でしたら王子様と同じように
お身体を冷やさずそれから
始めていきましょう。投薬を毎日届け
てもらうので、お飲みになって
下さいね。・・・ふふふ」

王妃様は、恥ずかしそうに俯き
袖口で顔をお隠しになられる。

ウンスの知りうる歴史とは
また違う一歩を踏み出そうとしては
いたが、それに抗う決意を改めて
心に誓ったのであった。



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