「しーしー?」
ぶるぶると身体を震わすと
ソマンは自分の股を覗き込む。
ぷぅ~と頬を膨らませ
「とっまん・・め!」と叱る。
「え~~。俺が悪いのかな~
じゃあおしめを替えましょうか」
こくこくと頷くと、気持ち悪そうに
一歩踏み出せばおしめを引っ張り
厨房からトクマンの部屋まで
来るときの倍近く時を費やした。
ぺたんこの床をトクマンが
引くと、ごろりと横になるソマン。
「はい。はい。・・いずれ俺も
こうなるんだろうし、今から慣れて
おけば損はないよな・・
しーしーね。替えましょうね
ソマン殿・・・ぎょっ!・・・」
こくりと笑みを浮かべ頷くソマンと
眼を見開くトクマンの姿が滑稽なのか
「きゃっきゃっ」と声をあげ笑う
尻をきれいに吹いてもらうと
いつもの如くころんと寝返りを打ち
逃げ出す。
「駄目です。おしめがまだですから
ソマン殿~~。尻を出していたら
鬼に噛まれてしまいますよ~」
『はぁ~なんで俺は幼子に敬語で
話しているんだ?・・・』
「おにゃ?」
ソマンの脚がぴたりと止まり振り向く
「はい。鬼が尻を噛むんです
この地には、昔から尻を出してる童
だけ尻を噛む鬼が出るんですよ…
それはそれは、こわ~い鬼で・・・
蹴るは殴るは木刀を振り回すわ
大人の俺でも勝てないんですよ」
そおっとトクマンの前に座り
トクマンの話に、聞き耳をたて
すっかり涙目になっている。
「・・・大丈夫です。いま鬼が出たら
俺がソマン殿の尻を噛む前に、退治
して差し上げますから、任せて
ください。だからおしめを・・」
『ふっ・・鬼か?・・・俺の事を
言っておるようだな』
「・・・?とと!」
「へっ?…ととではなく鬼ですっ」
ころんと寝返りを打ち
戸口まで、てくてくと駆け寄ると
満面の笑みを浮かべ
ぎぃ~っと引き戸をおす。
「・・・ソマン。母を迎えに参ろう」
戸口でヨンの姿を見るなり
両腕をあげ抱っこをせがむ。
「おしめをせねば鬼に噛まれるぞ
そうであろう。トクマン?」
「そ、そうです!おしめが先ですよ
ソマン殿」
「んんっ~~~」
「叔母様。私、産科専門では
ないんですが逆子を元に戻します
このままでは帝王切開をするしか
手はありません。典医寺でなら
可能ですが、ここでするには
無理があります。」
生まれる直前、腹で逆子になるのは
考えられること。ウンスとトギ
ポンは、イム侍医を交え
何度も何度も策を練っていた
専門医ではないウンスに
イム侍医は考えられる事の対策方を
伝授していた。
外回転術
幾度も経験をつんだ産婆でも
危険を伴うゆえ用いる事は
あまりないのだ。
「叔母様へその緒を首に巻き付け
生まれる可能性があります!
すぐに羊水を吐かせてください。」
「相分かった。任せよ」
短い。・・・ごめんなさい。
時間切れです。土日旗日地獄だ~。
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