木春菊  [偕老同穴] 64 | シンイ二次小説でんべのブログ

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二月・・・
ソマンも生まれ落ち一年の月日が
流れた。

「ウンス。トルチャンチの衣が
届いた故合わせて見ぬか。」

「間に合ったんですね。叔母様
ありがとうございます…早速合わせて
みます。ソマン・・・おいで」

ウンスの私室。
ソマンとともに昼餉を食していた。
叔母様の急な来訪に驚きはしたが
ウンスが出迎え、笑みを浮かべソマンを
呼ぶ。

「おばば…」

てくてくとおぼつかない足取りで
こちらに向かってくるソマン。
イルムとサンミが転びはしまいかと
手を繋ごうとするが…
離せとばかりに、その手を振りほどき
一人こちらに向かってくる。

そんな愛らしい姿に
叔母様の目尻は下がり頬は緩む。
おばばと呼ばれ尚更だ。

「おお~ソマン愛らしいのぉ~
おばばじゃ・・・そうかそうか
抱っこせよとな」

ソマンが、叔母様の目の前で
歩みを止め、両腕を差し出す。

護衛付く武閣氏は目を丸くし驚くが
くすくすと声を潜め笑っていた。
冷静沈着どんな事にも顔色ひとつ
変えず取り組み難なく事を成し遂げる
そんな姿はソマンの前では
微塵も見せず、世間で言う品のいい
お婆様がそこにいたからである。

「ふふふ…叔母様、お顔が崩れています
可愛がって貰えて嬉しいです」

「顔がか・・・ゴッホン・・これウンス
戯れを申すでない。私は私だ」

「ふふふ…はい。叔母様はいつもの
こわ~い叔母様です。さぁソマン
おいで。お婆様が誂えて下さった衣よ
お着替えしましょうね…ふふふ」

トルチャンチ伝統衣装に身を包み
自慢気に佇むソマン

「おお~身丈も大丈夫そうじゃ
明日に間に合い良かったのぅ
して、ウンス。屋敷ではなくまこと
王宮にて致すのか?」

「ええ…この部屋で・・本当は屋敷が
良かったんですが…お二人がお忍びで
お越しになられたらと思うと・・・
この部屋でなら例えお越しになられても
問題はないと思ったので…叔母様も
胸を張ってお越しになれますでしょう
典医寺のみんなも気軽に来れますし
イム侍医は、そう簡単に典医寺を
空ける事は出来ませんから」

「・・そうか。祝い膳をエギョンが
運ぶのだな?」

「はい。運んでくれます
王様のお許しも
あの人がもらってくれたので
特に問題は起こらないはずです」

「ならばよい。・・ソマンおばばは
戻るぞ。明日夕刻にまた会おうぞ」

ウンスに手を引かれお見送りにでる
抱き上げるには、流石に重くなり
戸口までてくてくと歩く。

一生懸命母の真似をし手を振るソマン
叔母様の目尻は底なしに下がる。

「・・・ゴッホン。何がおかしい」

ぎろりと、ミントとアルを睨み
小言を残しそのまま坤成殿へと
踵を返す。


「行っちゃた…さぁソマン
お着替えしなきゃね。汚れたら明日
着れなくなるわよ。また後で、覗きに
来るから、おとなしくしているのよ」





一方宣仁殿では…重臣らが
拝謁の刻限を終え、ヨンとチュンソク
王様とアンドチ内官と四名が残っていた

「大護軍。明日のソマン殿の
トルチャンチ…気を使わせすまぬのぉ」

「滅相もございませぬ。あの方の
世の大晦日には、カン殿にお助け頂き
事なきを得ましたが・・・
此度はあの方の私室にて執り行う為
御都合が合いましたらなら
是非、王妃様とともにお越し頂けたら
幸いでございます」

「そうじゃのぅ~。王妃を誘い参ると
する。 殿居の迂達赤も見たかろしのぉ」

王様はにやりと口の端をおあげになり
ヨンを見据える。
迂達赤にかこつけ言い訳を
口にされているが、実は王様自身が
王子と離れ落ち込む王妃を
連れ出したいのである。
ヨンもチュンソクもアンドチ内官も
王様の胸のうちを読み、感じてはいるが
それを口にする者はいない。




一夜明けトルチャンチ祝いの当日
お役目をそつなくこなし
皆がウンスの私室に集まり出した
ソマンも叔母様が誂えた
トルチャンチ伝統衣装を身に纏い
主役の席に鎮座する。
父であるヨンは正装を
母であるウンスは婚儀の折纏った衣を
身につけている
(ネロッセッ(苔色)チョゴリに白いチマ
そのチマには、形見の五徳の髪飾りが
刺繍されている)
髪には亡き母の形見、翡翠の扇形
五徳の髪飾りがひっそりと添えられて
いた。

「「ちっ」」っと二人の愛しい男が
舌打ちしたのは空耳であろうか・・・


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