木春菊  [偕老同穴] 証108 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「やはりな!…ヨンお前は後始末を
してこい…すぐには生まれぬ」

「だが、そばにおってやらねば
俺の赤子が生まれるのだぞ」

「馬鹿者!重々承知しておる。必ずや
無事に取り上げてみせる故私に任せろ」

「そうよ…まだまだ掛かるは
だからお願い、先に済ませて来て
待ってるから…ヨンが戻る頃まで
へっちゃらよ・・・ふふふ」

「・・ならば叔母上頼む、ウンス…
すぐに戻る故待っておれ」

陣痛が始まったのだ
だがすぐに生まれる気配はない
ヨンはウンスを心配気に見つめるが
健気に微笑む
ウンスの頬にそっと触れると
ヨンは王宮へと向かう

事が終わり
ウンスは、ヨンの手により産所として
用意していた客間へ運ばれていた
産科は専門外のウンスではあったが
自身の身に起きた腹痛が、陣痛か否かは
すぐに分かった

「叔母様…お手数お掛けしますが
宜しくお願いします」

「ああ…任せろ、今のうちに湯浴と
何か口にせねば、長丁場になるゆえ
力をつけねばな…エギョンおるか」

「はい…チェ尚宮様…こちらに控えて
おります」

叔母は、エギョンを呼びつけると
あれこれと的確な指示を出す
湯殿の支度。市中のお産婆を呼びに
行かせる。チョンスが戻れば
ありったけの釜に湯を沸かせる事
食事の支度…

「はい…畏まりました
チェ尚宮様どうかよろしくお願いします
奥方様と旦那様の赤子を無事に…」

エギョンとイルム、サンミは
うっすらと涙ぐみ頭を垂れている

「・・・任せろ!」

「イルム、サンミ聞いたね。頼むよ
手を貸しておくれ」

二人は頷くと手分けして
言われた事に、取り掛かる



叔母より少し遅れ、屋敷に到着した
イム侍医…

「医仙殿---」

「これは侍医様…奥方様は産気づかれて
客間の方へいらっしゃいます」

侍医の叫び声に厨房からばたばたと
エギョンが駆け寄り出迎え
居間へと通される

「こちらでお待ちください
チェ尚宮様に声をお掛けして参ります」

一人居間で、中庭の玉砂利や
土の散乱した様子を眺め
もう騒動は、終わりを告げたのだと
悟る侍医…

『父上・・・』

そう胸のうちで呟くと
揺れる思いを封じ込めるようぐっと
下唇を噛みしめていた

「侍医…王宮に戻らずとも良いのか
父君が捕らえられたぞ」

「・・・生きておるのですね
ご迷惑お掛けしました。」

「私は何もしてはおらぬ…ウンスも
無事でおるが、どうやら産気づいた
ようだ。されど先は長いぞ」

「はい…王宮へは戻りません
医仙殿の赤子を、診察せねばなりませぬ
王様のお許しも得ておりますれば
こちらでお待ちしております」

侍医の強い眼光にその決意が
読み取れ、チェ尚宮は黙って頷き
客間へと戻って行った




宣仁殿では…

捕らえられたジオンとその一味が
王様の御前にて、雁首を揃え
膝付いていた

「馬鹿げた事をしたものよ
昼日中、大護軍屋敷に押し入り
事を成し遂げられるとでも思うたか
呆れて言葉も出ぬわ!」

王様の言葉に深く項垂れるジオン

「・・・ですが王様…王様は私を
嵌めたのでは有りませぬか
私は流刑にされる覚えはありませぬ」

「ジオン!その方…倅の事を考えぬのか
女人の尻ばかり追い、しまいには
医仙殿を、我が手に収めようとして
画策しておったではないのか?」

「・・・・」

「どうした?ぐうの音も出ぬか
此度王子誕生にあたり、侍医の貢献は
絶大なものであった…故に大護軍らが
そちを恩赦の候補にあげたのだ
心を入れ替え、全うに生きれば
よいものを…まったく」

「王様。某から詫びねばならぬ事が
ございますれば、宜しいでしょうか」

「何を詫びねばならぬのだ、大護軍
申してみよ」

「はっ。此度の恩赦の中に、ジオン殿を
選びしは、某の不徳の致すところで
ございますれば、如何なる処罰も
甘んじて受ける覚悟は出来ております
なんなりと、お申し付け下さい
ますようお願い申し上げます」

ヨンは椅子から立ち上がり
深く頭を垂れる

「は?何故にそうなる?
大護軍も侍医の為、良かれと思い
こやつを都に戻した筈…そのあとは
こやつの問題ぞ…大護軍の預かり知らぬ
ところであろう」

「・・・されど王様・・・」

ヨンは、己が選んだ人選が
結果、この騒動を招いたと深く
悔いていた。王様の仰ることも分かる
だが、この際王宮を退き、生まれてくる
赤子と親子三人、本貫である鉄原に移り
好きな釣りでもして過ごすのも
悪くないと考えていたが…どうやら
王様は容易く離しては下さらぬ様子…


「うっっっ---」

そんな中、ジオンが苦しみ出した


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