木春菊  [偕老同穴] 証102 | シンイ二次小説でんべのブログ

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うまい具合にジオンの勤め口が
見つかった…スリバンを通し
ヨンが陰から手を回したのだが…

「すみません…こんな老いぼれですが
恥はかかせませんので、宜しく
お願い致します」

ジオンは丁寧に頭を下げる
師父が連れて来たのは、サンギョンの
材木問屋だ…幸いな事に男衆ばかりで
あった。

「あんた、山に出向き木を切り
都まで運ぶ勤めなんだよ、大丈夫か?」

「はい、何でもやります。倅に食わして
貰う訳には参りませんから」

人当たりは頗るいいジオン
だが…胸の内は、誰にも分かりはしない
極寒の地である、高麗の山脈での勤めは
慣れた者でも、少しの油断が死を招く

防寒具でしっかり身を包み
命綱を腰に巻き付け仲間のあとを
懸命に追い山々を登る。
昨年から天災が多い為か、木材が不足
していた。

「若旦那…一つお伺いしても・・
金儲けのこつは?」

「真面目にやれば、自ずと
結果はついてくるものさ…お天道様は
見てるもんだからな」

『こんな苦労知らずぼんぼんに
何がわかるんだい…まったく忌々しい』

そう胸のうちで毒を吐き
ジオンは黙々と与えられた勤めを
こなしていた

いつかは返り咲いてやる!
その野望を胸に秘め・・・



「そうなんだ・・・サンギョンさんの
ところに…イム侍医も苦労するわね
その性格どうしたら治るかしら
て、言うか女癖が悪いだけなんだけど
けど・・・あのね・・・私の世では
それを不能にする医術があるの・・
でも赤ちゃんが出来ないだけで
それの欲が消える訳じゃないから
なんの足しにもならないわね・・」

「なんと!赤子を出来なくする事が
できると?」

「ええ…専門ではないから、詳しくは
分からないけど、天界では普通に
出来るわよ・・・この地では無理だと
思うけど・・ねえ、ヨン?
ジオンさんが何か仕出かしたら
イム侍医にも拝めが有るかしら?」

「・・どうであろうな…」

「イム侍医は、典医寺でなくては
ならない人よ…腕はもちろんのこと
咄嗟の判断も即座に下せる、優秀な
医員よ」

急に黙りを決め込み
むっと口を尖らせるヨン

「聴いてる?」

「・・・ウンス、ここはどこだ?」

「屋敷の閨で貴方の腕の中よね?」

ウンスは小首を傾げヨンを見上げる

「・・・まったく・・・例え
ウンスの仲間であろうと、他の男の話は
聞くに耐えん…今一度分からせねば
ならぬようだ」

「え!ちょ、ちょっと待って
もう無理だってば…少しは妊婦を
労ってよ」

「十分労っておるつもりだが
俺の本気を知っておろう…クックッ」



翌朝早く叔母が屋敷を訪ねてくる

「叔母上…このような朝早く如何した
のだ?」

「いやな…乳母の話をしなければと
思った故…典医寺では話は出来まい
侍医の胸のうちを思うとな・・」

「叔母様…典医寺はどのくらいお休みを
頂けますか?」

「ん?どうしてなのじゃ」

「あのですね…乳母ではなく
なるべく自分の乳で育てたいんです
勿論、王妃様…王子様の一大事には
馳せ参じますが…それ以外・・・
五ヶ月から半年くらい
離乳食が始まるまで屋敷で
子育てをしたいなって・・・
我が儘でしょうか」

「りにゅ・・・?」

「あ、ごめんなさい…叔母様
生まれた赤子が、お乳だけでなく
柔らかいものを食べる時のことです」

「・・乳母を雇わぬとな?」

「叔母上…チェ家は天界式故
不満もあろうが構わぬであろう?」

ウンスは、叔母の「ならぬ!」と
一喝があるのかと上目遣いで
ちらちらと不安気に叔母をみやる

「お前達がそれで良いなら構わぬ
チェ家の主は、ヨンじゃからの…」

「叔母様…ほんとうは怒ってます?」

「・・・いや…なれど天界式は
構わぬが…ウンスそなたが半年も
大人しく屋敷におれるのかと
ち~いと疑問に思うてな…」

「クックッ…叔母上の言う通りかも知れぬ」

「二人とも、ひどいと思うんだけど
やることいっぱいあるんです!」


出仕前の慌ただしい一時
ウンスは、ぱんぱんに膨らんだ
お腹を突きだし、腰に手を当てぷぅ~と
頬を膨らませ、ヨンと叔母を睨む
真似をする



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