木春菊  [偕老同穴] 証97 | シンイ二次小説でんべのブログ

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王子様のご誕生と言う国の最大の慶事
民にもすぐに布告が出され
都じゅうが、喜びに溢れていた

翌日には市井の商人らは
持ってけ市を開催する始末
言わば安売り、叩き売りのようだ
いつになく賑わいをましている

見回りをしていたトクマンが
チュンソクに伝え、それを王様に
お伝えする

「そうか…民も喜んでくれておるのだな
ならば、恩赦を発令致そうかの」

「はっ…さすれば大護軍と相談致し
幾人か、流刑の者の中から
候補をあげお持ち致します」

「相分かった…しかと頼むぞ
余は、王妃の元に参るとしよう」

『まだ昼前と言うに、これで四度目
はあ・・・』

チュンソクは、胸のうちで盛大に
ため息を吐くと、王様の後に続き
坤成殿へと向かう



ヨンとウンスは、昨夜はウンスの私室で
一夜をともにしていた
とても屋敷に戻れる元気は
残っていなかったのと、王妃様
王子様の様態が、急変しないとも
限らないためもある

「お役目いかないと、ヨンってば」

いまだ寝台の上、ぎゅっとまで抱きしめ
られずとも、ヨンの腕の中にいた
日が明け、すでに一刻は過ぎている

「いや…その必要はない…何かあれば
テマンが知らせにくる、もうちと眠れ
ばよい…疲れておるであろう?」

「ええ…でも様子は気になるから
行かないと」

「優秀な医員なのは分かるが
ウンスも身重なのだ…赤子のことも
考えよ」

「考えてるわ…誰よりも・・だって
母親になるんだから…」

「まったく仕方あるまい…されど
王妃様をお訪ねし、あとは部屋で過ごす
そこは譲れぬぞ…」

「は--い…ふふふ」

と、呑気な返事が返ってくる…

ヨンは、ウンスの着替えを手伝い
己も素早く着替え、腕を絡め坤成殿へと
向かう



「王妃様…医仙様がお見えにございます」

「入って頂きなさい」

武閣氏の声が声を掛けると
すぐさま、王妃様の声が部屋の中より
聞こえ、叔母が顔を出す

「ウ、医仙無理をせずとも
侍医が、王子様のそばにおる
王妃様には、私がついておるものを
まったく無理をしおる」

「ありがとうございます、叔母様
でもこの目で、確かめたくって
つい・・」

「そうか、すまぬな…王子様は乳母が
乳をあげておるゆえ…今しばらく
待っておれば戻るゆえ…中で待っておれ」

「あ!乳母…どうしよう
叔母様からも、この人からも
考えるように言われていたのに
忙し過ぎて、すっかり忘れてました
あ--」

「・・ウンス…まったく貴女ときたら
だが叔母上…もしウンスが乳母を雇うと
したなら、今からでも遅くは
あるまい?」

「ああ…だが早めに頼むぞ
身元があやふやな者を頼めぬゆえ
王妃様が、落ち着かれたなら
私が屋敷に参る故、その折りにでも
じっくり話そう
先ずは、王妃様がお待ちかねじゃ」

そうしてヨンとウンスは
王妃様の私室へと脚を踏み入れる

「義姉様…」

「そのままで…昨日の今日ですから
無理はいけません…そうですね・・
七日程は、床の中で
お過ごしいただきます、厠は仕方がない
ですけど・・子宮…えっとですね
王子様がいらしたところが、元にもどる
のに、人によりますが、一月(ひとつき)
から一月半かかると思いますから
安静にお願いしますね」

「義姉様のおっしゃる通り、床のなかで
過ごそうかのぉ…妾も早よう元にもどり
次の子を授かりたいのじゃ」

「へ?もう次の子ですか?
お気が早いですよ…王妃様…ふふふ」


「王妃様、王様がお越しでございます」

チェ尚宮が扉を開け出迎え招き入れる

「まあ・・よくお越し下さいました
ですが、四度目…お役目は宜しいので」

「構わぬ…父である余が何度王子の顔を
見たとて、罰は当たるまい?」

「ふふ…そうではございますが・・
王様の体面が…」

王妃様は、僅かに苦笑いを浮かべる
だが…あの折りの苦悩を思うと
五年の歳月が過ぎ、漸く生まれし
待望の王子…
致し方ないことと納得していたのだ

「大護軍…後程お話がございますが
恩赦のことでございます」

「・・相分かった…兵舎でよいな」

「はっ!」

「ウンス…戻らねばならぬが」

「分かったわ、私はミントとアルがいる
し、大丈夫よ」

王様の護衛をチョモに託し
ヨンとチュンソクは、王様と王妃様へ
一礼し、静かに坤成殿を後にし
兵舎へと向かう



「大護軍、王子様ご誕生に伴い
王様は、恩赦を発布されるご様子にて
流刑に処された者の中から、幾人か
候補をあげねばなりませぬ
どのように振り分け致せば、宜しいかと
お知恵を拝借致したく…」

「恩赦とな?」

ヨンは、そう呟くと腕を組み
暫し瞼を閉じ、じっと考え込んでいた
のだった


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