木春菊  [偕老同穴] 証81 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています




「ウンス!」

「ヨン?どうしたの?」

典医寺の診療室に珍しく
ヨンが飛び込んでくる

「サンギョンが開京に住まう事に
なったぞ」

「え!どういうこと?」

「王宮御用達の材木問屋が
サンギョンの問屋に決まったのだ」


つい先日のこと

※※※※※

王宮御用達だった金滿が
御家取り潰しになり、その後を任せる
材木問屋を模索していた重臣ら
自身の身内を推すものが、後をたたない
なか、それはアンジェの一言で決まった

「南京から開京まで名が知れわたる
問屋、屋号は燦(さん)伝え聞きでは
ありますが、日が燦々と降り注ぎ
輝く道を歩いてほしいとの、先祖からの
願いが込めて有るとのこと
調べによりますと、私利私欲など
微塵も感じるところなどありませぬ
戦で家屋が焼け落ちた者には
無償で木材を分けてやり、雨露を凌がせ
方や、戦で他所から命からがら
逃げて来たものには、長屋を建て
住まわす、主はそんな者のようで
ございます」

「ほう…奇特な者がおるのだな
どこぞの重臣に聞かせてやりたいものよ
して、南京からこちらに住居を構える
ことは可能であるか?」

「はい、御用達ともなれば
住まうに違いありませぬ
急ぎ使いをやり、確かめとう存じます」

「相分かった、良しなに頼むぞ」


※※※※※


「そうだっだの…サンギョン君もお父様
も真面目を貫き通した褒美ね
ヒョイアボジも喜んでいる筈よ」

「ああ、そう思うぞ、十日程で
都に入るそうだ」

「お父様の具合もどうなってるか
気になっていたのよ」

ウンスは、一月(ひとつき)程まえ典医寺
をでたが、全快には至らず南京へと
戻って行ったサンギョンの父親の事を常々気に掛けていたが、南京まで赴く
訳にも行かず気を揉んでいたのだ


「それにあんな美少年が開京に
根をおろしたら騒動になるんじゃ
ないかしら…ふふふ・・・うっ・・・
ヨン!来て---」

「如何した!ウンス!」

腹を押さえじわりと涙を浮かべ
ヨンの名を叫ぶ

「う、動いたの…ほら、またヨン
手を・・ね?分かる?」

「おお…俺の子が・・・」

ウンスに促され、その大きな手を
腹にそっと添えると確かに触れた。
ここにいるよと言わんばかりに…
己の手のひらを、じっと見つめ
典医寺、診療室であることも忘れ
ヨンはふわりとウンスを抱きしめる

「ヨ、貴方? 典医寺よ、皆が見てる
から…ねってば!」

「・・・」

ウンスに言われ我に返り
ぽっと耳が朱色に染まるヨン

「すまぬ…嬉しい故つい・・・」

「お構い無く・・我らはとうに
慣れております故、されど赤子が
父上にご挨拶をしておられるのやも
知れませぬな

「もう…イム侍医ったら、けどそうだと
なんだか嬉しい・・元気に育つのよ」

ウンスの腹に手を添え呟く
その笑顔は、既に母の慈しみに溢れて
いた





それ八日のちサンギョン親子が
王宮御用達を拝命し、王様の元へと
挨拶に訪れていた

「燦(さん)!良き屋号じゃ
これより民の為、国の為邁進せよ!」

「恐れいります、王様…代々慎ましく
全うに生きて参りました…
このような誉れを賜り、恐悦至極に
存じ上げます、一族総動員致し
王様の御為邁進して行く所存
皆々様宜しくお願い申し上げます」

サンギョンの父親は、王様始め
そこに控える重臣らに、深々と頭を
垂れる

「宜しく頼むぞ」



ウンスは 宣仁殿から下がる
サンギョン親子を待ち伏せしている

サンギョンの美少年ぶりは
王宮の女官がため息を溢す程である
宣仁殿から下がる、サンギョン親子を
うっとり見つめる女官の姿が
多々見られていた


だが要所要所に立つ迂達赤は面白くない

「なあ…どこがいいんだよ!
ひ弱な感じしかしないけどよ!
俺たちの方が、日焼けして逞しいよな
そう思わないか!チョモ?」

「・・・」

「無駄話はするでない!!」

トクマンとチョモは、等間隔に
立ちながら、身振り手振りを交え
話をしていたのだ
それを 宣仁殿から下がるヨンに
見つかり一喝されてしまう

「・・すみません!ですが大護軍
女官が、あの息子をうっとり眺めて
いたんで…つい愚痴が…それに
おく、医仙様も隠れておいででしたよ
ほらあそこに・・・」

トクマンが指差す方向にヨンは
瞳を向けると、確かに物陰に隠れる
ウンスの姿があった


ポチっとして下されば嬉しいです






にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村