木春菊  [偕老同穴] 71 | シンイ二次小説でんべのブログ

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サンギョンが母親を連れ
戻って来たのが、その翌日の夕刻で
あった

「親父・・・」

「旦那様・・・この様にお痩せになられ
・・真、ご無事でようございました」

親子三人は、三月(みつき)ぶりに
顔を合わせ泣き笑いで喜びを分かち合う

母親がウンスを目に留めると
その手を取り深々と頭を下げ、礼を
述べる

「貴女様が医仙様でいらっしゃいますね
旦那様をお助け下さり、ありがとう
ございました…息子から聞きました
大護軍様が、お手を貸して下さったと
ありがたいことでございます」

「いいえ、あたり前の事をしたまでです
お気になさらずに…で、ご主人は
暫く、典医寺で養生して頂きますから
そうね…体力が回復し自力で歩ける
ようになるまでは…幸い怪我も
ないようですし、ずっと暗闇に
居たようですから…それが
少し心配ではありますが・・・」

「私が看病したいと思います
ですが…南京から通うのは少し
無理がありまして…どころか宿が
ありましたら、お教え願えませんで
しょうか?」

「分かりました、相談してみますね」



ウンスは、ヨンと相談し
母親をマンボの宿へと、案内し
暫く逗留できる段取りをつける

サンギョンは、母親に託し
南京へと戻って行った


「いろいろ、力になってくれて
ありがとう…感謝してるわ…」

「俺など、お役目の一貫に過ぎぬが
恩人の子孫に感謝を伝えねば
貴女の名に傷がつく故」

「私の名?そんなものどうでも
良いわ…でもサンギョン君もお父さんも
悪い人じゃなさそうだし、そこは
安心したわ…それに・・・あれだけの
美少年滅多にお目に掛かれないし」

「・・・」

むすっと口を尖らせ黙り込むヨン
それに気が付くと…

「なあに…ふふふ、拗ねたの?
この時代なら、息子と言っても通じる
くらいよ、もう--拗ねないの」

ウンスは暗闇とは言え、往来の真ん中で
「チュッ」と音を立てヨンの唇に触れ
すぐに、離れる

ヨンは一瞬驚き眼を見開くが、腰に腕を
回し、逃げられまいとしっかり押さえ
離された唇の後を追い貪り尽くす

「んんっ--ヨ、ヨン苦しい・・・」

「ウンスが煽ったのであろう
それにウンスの口から、他の男のこと
など、聞きとうない!」

「私が愛するのは、ヨンだけなんだから
いくら美少年のサンギョンでも
眼中に入らないのは知っているでしょう
だから拗ねないの・・」

市井の賑わいは、既に鳴りを潜め
行き交う民も疎らではあったが
熱い包容を交わす二人に
ぎょっとするが、知らぬ存ぜぬを
決め込み素通りする
この二人が、鬼神と称される大護軍と
医仙とは気が付かず・・・

「マンボ姐さんのクッパも食べれたし
じめっとして、身体が気持ち悪いの
早く戻って湯浴したいわ・・・でね・・
やっぱり止めとく!」

「はんっ?何を止めると言って
おるのだ…夫婦(めおと)で隠し事は
せぬと誓ったであろう」

「ぷっっ、どの口がそんなこと言うの
忘れてないわよ!」

ウンスは、ヨンの胸をぽんと叩き
駆け出す
夜目の効かないウンスがすぐに
「どんっ」と、誰かとぶつかる
一瞬躊躇するが、転ばす訳にも行かず
抱き留める形となった・・・

「離せ!!いくらお前とて許さぬ」

近寄る気配は鬼神そのもの
鬼剣を「がしゃり」と鳴らすと
瞬時に割って入り二人を引き離し
ウンスを背に庇い睨み付ける

「え?誰なの?暗くて何にも
見えないじゃない…」

ウンスが目を凝らし一点を凝視すると
そこには・・・




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