木春菊  [偕老同穴] 証 67 | シンイ二次小説でんべのブログ

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チェ家に逗留するサンギョン
主二人が、お役目で出仕すると
同じ年頃のイルムとサンミは、瞳を
輝かせ、興味深く探りをいれる

「ほら、サンミあんたを見てるんで
ねえが・・声掛けてみればよかべ」

「・・恥ずかしいよ、でも綺麗な
顔しているよね…」

東屋で、一人暇を持て余している
サンギョン…だが…目敏く二人を
見つけると手招きしていた

「呼んでいるわ…どうしょう
イルム…行って見る?」

「んだ!客人が呼んでいるんだ
なんか、用があるかも知れねえべ
行って見るべ」

二人は、笑みを浮かべ駆け寄る

「君達は、同じ年頃みたいだね
ご奉公は長いのかい?」

「・・いいえ、さほど・・」

「そうなんだ…でもチェ家に奉公なんて
しきたりや、何だかんだと
厳しいんじゃないかい?」

「ちがうだ!旦那様も、奥方様も
チョンス兄さんも、エギョン姉さんも
みんないい人だべ、おら達みたいな
田舎もんでも、分隔てねぐ接して
くれるべさ、だからおら達は
一生奉公するべさ、なあサンミ」

「そうね…私達はよい奉公先に
恵まれたもんだよね…ふふ」

「あれまあ…」

・・・野望は、言わないでおくかね
あの二人も、いずれ嫁に行くんだろうし
素直ないい娘(こ)達だから、幸せに
なっても、誰も文句は言わないよ

まるで、母のような広い心で
笑みを浮かべ見つめていた



日が西に傾きかける頃
スリバン、サルム(白い人)が
屋敷を訪ねてくる

「邪魔するわよ…」

「ああ---サルム姐さん--」

イルムとサンミは満面の笑みで
駆け寄り迎える

刺客が忍び込んだあの時以来
若い二人は、すっかり気を許し
サンミは、方言を直してもらったり
イルムは、密かに武術を教わったり
していた…

「客人はいるのかい?」

「はい、おります姐さんも
居間でお茶をでもどうぞ」

すっかり方言も直りに
こっと笑みを浮かべ、サンミは答える

居間へと向かうと、サルムはあまりの
美少年に絶句し、そこに立ち竦む…

「あ!姐さん…顔が赤いけど・・・」

「・・・」

二人に茶化され、サルムは
余計、朱色染まり固まる

「・・・好み・・・」

「だめだめ姐さん、客人だべさ」

イルムは、サンギョンの前に
両手を広げきりりと、睨み付ける

「取って食いはしないさ…まったく
イルムときたらなんなのよ・・
ところで、ヨンはまだかい?この子の
親が見つかりそうなんだよ」

「え!本当ですか?番所に何度脚を
運びお願いしていましたが、いままで
まったく消息がつかめませんでした
父はどこにいるのです…今から
会いに行きます!居場所を教えて下さい
お願いします」

「まちな、落ち着くんだい」

サンギョンの鬼気迫る形相に
サルムは顔を背けながら答える



一刻程後、ヨンとウンスは屋敷に
戻ってくる

「来ておったか!」

「ふんっ…まったくいつまで立っても
無愛想なんだから」

サルムの顔を見るなり、ヨンは
眉間に深い皺を刻み、まるで睨むように
言葉を吐く

「で、調べはついたのか?」

「あたり前じゃないのよ、情報屋
スリバンをなめるんじゃないわよ」



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