木春菊  [偕老同穴] 証 63 | シンイ二次小説でんべのブログ

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ウンスは瞳を閉じ気を静める
静かに脈に触れ診脈をする

「ん?王妃様何かお悩み事でも
おありですか?脈が安定しておりません
いけませんよ、気鬱は妊婦にとっては
最大の敵と言っても、過言では
ありませんから…」

「義姉様…は、大護軍とお話は
出来たのでございますか?」

「はい、ちゃんと向き合いました
私が愚かでした・・・王妃様考えても
見てください…あの人と王様が
同じ室内で密会し、事に及ぶ筈が
有りません…あり得ないんです
そう思いませんか」

「・・・そう思いたいのだがのぅ
妾は…王様とやりおうて
しまったのじゃ・・・義姉様・・
妾は・・どうすればよいのじゃ
教えてくれぬか・・」

ウンスは、診脈を終えたその手を
優しく包み込み、椅子に腰掛けると
王妃様の瞳を見つめ、笑みを
浮かべ優しく問う

「王妃様・・王様の事が嫌いに
なられましたか?」

「・・嫌いになどなれぬ・・・」

「私も同じですよ…ふふふ
例え赤子がいなくても、どんなに
喧嘩しても、お別れするなんて
考えたこともありません
だって…運命の人ですもの・・」

「運命の人とな?」

「王妃様は違うのですか?
もしも違う殿方のところに
嫁入りしてたならなんて想像つきます?
私は想像出来ません、ましてや
肌を合わせ、子を授かる行為するなんて
身震いがしませんか?」

王妃とウンスは、自身の身体を両手で
抱きしめ身震いする

「どうですか、王妃様?」

「・・いやじゃ・・王様以外とは
そのような事は・・しとうない・・」

「ですよね…私たち奥方がこのように
臍を曲げてばかりしていたら、本当に
密会されてしまいますよ…されてから
では遅いんです・・ですから
王妃様・・素直に向き合いませんか
後少し待てば、話してくれますよ
叔母様の部屋で何をしていたのか
あの人が、そう教えてくれましたから
私は、静かに待ちたいです
楽しみが増えるでしょう?・・ふふふ」

「・・・素直になれるかのぅ・・」

ウンスが悪戯な笑みを浮かべると
王妃様は、はにかんだ笑顔をみせ
ぽつりと呟く





「え?大護軍様がお呼びと・・」

「はい…イ女官様」

行儀見習いである幼子に
声を掛けられ、イ女官はにやりと
不気味な笑みを浮かべる

叔母の私室ではなく、外に呼び出された
事に、淡い期待を秘める

「ふふ・・私の魅力にお気付きに
なられたのかしら・・女人としての
嗜みは、十分そなえているわ」

独り言を呟くと、仲間の女官と
瞳を合わせ頷き合うと
いそいそと、待ち合わせの場所
中庭へと向かう



「いらしたわ…ふふ」

中庭の木に凭れ、腕を組みヨンは
待っていた
そこへ、イ女官は笑みを浮かべ
一人で現れる

「大、大護軍様…私をお呼びと窺い
喜び、馳せ参じましてございます…」

「・・・」

「そなた、何を勘違いしておる」

気配を消し、木の陰よりチェ尚宮が
鬼のような顔をし現れる

「チ、チェ尚宮様もおいででしたか
これは…失礼を致しました、で
私に用とは?」

「その方、医仙に何を吹き込んだのだ
有り体にもうしてみよ…」

「・・何をと?ただ大護軍様と王様に
別室で呼ばれていると…
申したに過ぎませぬが・・」

ある意味嘘は言ってはいないイ女官
チェ尚宮に、頭を垂れながら
胸の内では、乗り切れたと
ほく笑んでいた

「医仙、即ち大護軍の嫁御は
身重と言うことは、百も承知の筈
別室に呼ばれたなどと、耳にすれば
赤子に差し障りが及ぶとは考えなんだか
浅ましい心根よ…」

「・・ですが、チェ尚宮様…わたくし
めが、別室に呼ばれたのは事実で
ございますれば…医仙様には
お伝えせねばと、思うたまでに
過ぎませんが・・」

「・・俺や王様が、その方触れるとでも
思うておったか!」

ヨンは、のらりくらりと
言葉を繋ぐ、イ女官にいい加減うんざり
した様子で語尾を強め睨み付ける

「そ、それは・・・」

イ女官は、尻窄みに言葉を詰まらせ俯く

「我が奥、王妃様を侮辱すること
例えおなごとて、俺は許さぬ!」

ヨンは鬼の形相を露にし、一歩前へと
脚を踏み出すと、イ女官は地べたに
ひれ伏し許しを乞う

「お、お許しを---」

「奥向きの事は、長で在られる
王妃様の判断を仰がねばならぬ故
仲間もおるであろう…自室で控えておれ
よいな!」


「チェ尚宮!その必要なない!」

ウンスをともに、王妃様が中庭へと
姿を現す

一同が王妃様に向かい頭を垂れと

「挨拶はよい…奥向きを預かる長として
申し渡す、その方にはたったいま
暇を申し付ける、二度と王宮に近寄る
事、妾が許さぬ…よいな!チェ尚宮
仲間を洗いだすのじゃ」

「畏まりましてございます、王妃様
 武閣氏!この者の荷を纏めさせ
直ぐに、立ち去らせさせるのじゃ
仲間の女官を吐かせ、皆同罪と
王妃様のお言葉であるよいな!」


そばに控える武閣氏に、両腕を掴まれ
イ女官は姿を消す
その後仲間であった女官すべてが
暇を言い渡されることとなった

王妃様は、チェ尚宮に頭を下げ
言い過ぎた事を素直に詫び、王様とも
仲直りされた…王妃様とウンスは
きっと秘密の贈り物があるのよって
事で、話が付いたのである


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