木春菊  [偕老同穴] 証 56 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ヨン!!私は病じゃないの
分かって…信じられない?」

「信じておるが・・・」

「が…なによ!何度も言うけど
閉じ籠る方が、病になるんだから
もうこれ以上堪えられない
貴方が駄目というなら、王命を
出して頂くわ、王命なら貴方も
従うしかないんじゃない」

「ウンス・・・相分かった・・
されど、無茶だけはせんでくれ
折角授かった赤子が腹におる
それを忘れぬと誓えるな・・」

「当たり前じゃない…命を粗末に
しないわ、私は医者よ
分かってるでしょう?」

「ああ、すまなかった・・ウンスの身を
案じてばかり…愚かな行為であった」

「じゃ典医寺に
一緒に行ってくれるわね…」


長椅子に腰掛け、時には見つめ合い
漸くヨンとウンスの話がつき
典医寺へと向かう

離れて見守っていた
武閣氏とテマンも、安堵の色が浮かぶ

侍医と三人で話し合い
私室軟禁は、漸く解かれた…

絶妙な間で、チャンスが白粥を
届けてくれる

「ヨンは違う物食べても構わないのよ
私に、付き合う必要ないのに」

「構わぬと言っておろう
一人別な物を、食う気にならぬ」

「大丈夫なら、良いんだけど・・・
悪阻が収まったら美味しいものを
たくさん食べましょう…ふふふ」

俺には、その愛らしい笑顔が
一番の馳走故…他にはいらぬ

ヨンは、胸の内で思い目尻を下げ
ウンスを見つめていた


ウンスの私室にて、昼餉を済ませ
ヨンはお役目に戻り、ウンスは
典医寺へと顔を出す

「なんだか、照れ臭いけど
改めて、宜しくね」

「ご無理をなさらず、気分が優れぬ折り
には、必ず言ってくだされ」

「もう--イム侍医まで、同じ事を
言って・・・子供じゃないんだから
分かってますって」

ウンスは、腰に手を当て
口を尖らせながら侍医を睨み付ける

「また、そのような幼子の様に
されて・・・ぷっっ」

侍医や回りの医員は笑みを溢し
ウンスを見つめていた・・・






「ヨン!これはなんなのだ」

「まあ、黙って見ておってくれぬか
叔母上」

その頃ヨンは、ウンスの事を
気に掛けながら、安定期に入れば
着せて遣りたいと、叔母に頼んでいた
衣に刺繍を施していた

「お前は、幼き頃よりなんでも
やり遂げる器用なおのこだったが
刺繍まで器用に、こなすとはの・・・」

「・・・腑抜けと叱らぬのか?」

「なんだ!叱った方がよいのか」

「いや…そうではないが・・
お歳を召したかと思うたまで」

ヨンの戯れに「バシッ」と後頭部に
拳骨が飛ぶ


「っっう--叔母上いまのは
拳骨であろう、痛いではないか!」

「余計な事は、言わずともよいわ…
まったく・・・だいたい大護軍たる者
いくら嫁御の為とは言え、刺繍などと
腑抜けにも程があるわ!どれ、もう一つ
おみまいしてくれるわ」

「思い出したように、それはないだろう
に・・」

ヨンは後頭部を擦りながら
叔母を睨む真似をする

小柄な叔母が立ち姿のヨンを
小突くのは、骨がおれる
幸いな事に、椅子に腰掛けている
ヨンになら思う存分手が届く

まだまだ日にちは掛かりそうだが
安定期まで、こちらもまた日にちが
ある、ヨンは暇を見つけては
ウンスに、感ずかれないように
叔母の部屋へと日々通うのであった


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