木春菊  [偕老同穴] 証 49 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「奥方様、今日市井でおらが
見てくるだ、エギョンさんも一緒に
行ってけろ…父ちゃんが山さ行って
たくさん取ってきた果実があるだ
名前は知らねえが、母ちゃんが
まんま食えねから、よく食って悪阻を
乗り切っただ、な、いがべ(いいか)」

「イルム、頼めるか」

「任せてけろ!」

ヨンに頼まれイルムは、胸を張り
答える

「イルムは行動派なのね…エギョン
付いて行ってあげて、市井の事は
詳しくないだろうから、お願いね」

「しかし…奥方様のお世話が・・・」

「案ずるな俺がおる」

「へ?貴方お役目は?」

「ふっ…言うと思っておりました
護軍には、私から伝えておきます故
ご案じなされませんよう、心おきなく
看病なされませ…」

「・・・侍医、嫌味であろう・・」

「め、滅相もございませぬ
大護軍相手に嫌味など・・・」

「貴方がそう言ってくれるのは
とっても嬉しいけど、お役目は
大事なんだから、行かないと駄目よ…」

「されど…特に火急の案件もない故
そばにおる…俺も父になるのだ
ともに、苦しみを味わい成長する
それが男親の務めであろう」

イム侍医の嫌味に
ぎろりと睨み付けると
回りの皆には、看病すると宣言して
いるかの様に、正論を口にする

「テマン!侍医と共に王宮で控え
何かあれば、知らせに参れ
チュンソクにくれぐれも王様の
護衛抜かりなくせよと、伝えてくれ」

「はい!分かりました…伝えます」






「なんと!大護軍の職を賜る者が
嫁御の悪阻で、お役目を放り出すとは
まったく--腑抜けにも程がある!」

テマンは一応、チェ尚宮にも
伝えに、坤成殿へも顔を出していた

「チェ尚宮、その者を中へ」

「されど…王妃様、この者は甥の私兵で
あり、迂達赤ではありませぬ故・・・」

「良いのじゃ…義姉様のご様子が
知りたいのじゃ」

「テマン、粗相なきよう心得よ」

間近で、王妃様にお目に掛かるのは
初めてのテマン…緊張し俯きながら
チェ尚宮の後を付いて行く

「義姉様のご様子は如何じゃ?」

テマンは、王妃様のお顔を拝見しては
罰が当たるとばかりに俯き、今朝の
ウンスの様子を語り知らせる

「悪阻とはその様になるのじゃな・・
で、侍医はなんと申しておるのじゃ?」

「日にち薬と言ってました」

「そうか、やはり日にち薬なのじゃな
お辛そうにしておったのか・・」

「は、はい、食べ物の匂いが堪らない
様子でした」

「チェ尚宮!悪阻があってはと母上が
送って下さった柑橘類が
手付かずで残っておるのぉ…
この者にすぐに持たせよ」

「王妃様…ありがたいお言葉と
存じあげますが…一臣下に過ぎぬ
甥の嫁御に---」

「チェ尚宮…固い頭を柔軟にせねば
ならぬ…妾がよいと申しておるのじゃ」

「・・・」

「義姉様が苦しんでおられるのじゃ
助け合うのが姉妹であろう…違うか」

王妃様…我が甥の嫁御の為に・・
誠にありがたい事でございます
此度は王妃様の心根に素直に甘えとう
存じ上げます・・・

チェ尚宮は静かに背を向け
滲む涙を拭く…




王宮より戻りしテマンが、両腕に
抱えきれぬばかりの果実を運んでくる
出掛けようと、門まで顔を出した
エギョンとイルムと出くわす

「どうしたのさ、テマンさん
こんな沢山の果実を・・」

「王妃様から賜ったんだ、奥方様を
案じておられた」

「そうかい…イルム奥方様に急ぎ
切り分けしてお出しするから
待っておくれ」

「うん!分かった…あ!これだよ」

テマンの荷からぽろりと溢れた
柑橘の玉が、イルムの目にとまる


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