木春菊  [偕老同穴] 証 22 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「叔母上、正気か」

「正気も何も…ならばお前は
赤子を、侍医に取り上げて貰うつもりか
お前がそれで納得するなら、私は口を
挟まぬが…」

「な、何を戯けた事を!許す訳が
なかろう」

「そうであろう…ならばこうするしか
あるまい…異論はなかろう」

「・・・」

懐妊が分かり三日後、叔母の話を
屋敷にて聞いたヨンは、出仕するや否や
坤成殿近くの中庭まで
叔母を呼び出し真偽のほどを
確かめていた



※※※※※

前夜のこと

「ヨン、あのね…驚かないって約束して
ね」

「ああ、どうした?具合が悪いので
あるないな、侍医を呼ぶか」

「違うわよ、もう…せっかちなんだから
私達の赤子を、叔母様が取り上げて
下さる事になったの」

夕餉を済ませ、寝衣に着替え
月見をしながら、ヨンの肩に凭れ
ウンスはぽつりと呟く

「・・・気でも違えたか・・・」

「ヨン!なんて失礼な事を言うの!
怒るわよ…」

「されど…叔母上が産婆の真似事など
些か案ずる所はあるが…」

「あら、誰がみっちり教えると
思っているの…今からなら十分間に合う
筈よ、王妃様の許しも得たし
王妃様が王様にお話して下さる筈よ」


※※※※※


「ならば叔母上、王様も承諾されたの
か」

「ああ、快諾して下さった
市井の産婆に任せてはおれぬでな…
大事なチェ家の嫁御じゃ、私も本気で
鍛えてもらう故、任せろ」

「・・・ああ、宜しく頼む」

「王妃様のお子が生まれる折
ウンスは、大きな腹のはずじゃ
無理はさせられぬであろう…すこしでも
手助けになればと思うてな、侍医や
他の医員は皆、男故、王妃様の・・・
ゴッホン…まあ、よい…そう言う事だ」

いくら甥とて、これ以上は禁句とばかり
幾分頬を赤らめて咳払い落とす

「医員のウンスは厳しい故
泣き言など通らぬつもりでいてくれ」

「ああ、望むところじゃ…
もうよいであろう…ウンスが顔を出す
ころじゃ、戻るらねばなるまい」


そう言うと叔母は、踵を返し坤成殿へと
歩を進める


叔母が戻ってくるとウンスは
王妃様の診脈を終え、二人でお茶を
頂きながら帰りを待っていた


「いいですか叔母様…子宮、つまり
赤子の寝床は、女人の下腹にあるんです
そこで母体、お母さんが口から入れた
食べ物を、臍の緒を通じて
大切な部分だけを吸収し、十ヶ月過ごし
出産の運びとなります、おおまかに
言うとこんな仕組みです」

あ…疲れる・・・人体模型でもあれば
教えやすいのに・・・
紙は貴重だからこんな事には使えない
だろうし悩むわね・・・

ウンスの胸の内のぼやきなど
叔母は知る由しもなく
真剣な顔で聞き入り、頭に叩き込んで
いる

「医仙殿… 典医寺から使いの者が
参っております、何やら身体が痺れ
動く事が出来ないとかで、重臣の方が
運ばれて来たと」

「分かったわ、すぐに戻ります
王妃様、叔母様、今日は失礼致します」


ウンスは一礼すると 坤成殿を後にする


十分気をつけているつもりでは
いたが、患者が気になりウンスは
小走りになってしまう

「医仙様走ってはなりませぬ!
お一人の身体ではないのですよ」

「そうです!ミントさんの言う通りです
転んでもしたら取り返しがつきません…ゆるりと歩いて参りましょう」

「あ、ごめんなさい・・つい患者が
気になって・・」

ミントとアルに、小言を言われ
ウンスは肩を竦める


「イム侍医…どうしたんです?」

「医仙殿、お呼び立てしてすみませぬ
こちらの方は、重臣イ・ソンミョン殿
なのですが、身体が痺れどうにも
動けぬと申され…今までにない症状にて
医仙殿なら、お分かりになるやも知れぬ
と呼びに行かせた次第です」

「全身が痺れるのかしら、それとも
一部部分だけなのかしら?」

「分かりませぬ、話が出来ない様でして
意識はあるのですが…」

「そうね、目は開いているわね
イム侍医…紙に書いて、目で合図して
貰いましょう…私はまだ苦手で
書いて貰えるかしら…先ずは
どこが痺れるのか?何か薬を飲み
症状が表れたのか聞いて貰える」

「分かりました、すぐに」


その頃ヨンはマンボの隠れ家にいた


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