木春菊  [偕老同穴] 証 8 | シンイ二次小説でんべのブログ

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この胸のもやもやをどうしたものか
俺は、どうやらサム殿に、恋煩いを
しているのだろう
大護軍も奥方様を、このような心根を
持ち続け、彼の地で待たれて
おられたのか…


「護軍?…護軍!!」

「ん?あ、すまぬ…トクマン、ハヌル
市井見回りに参る故後は頼むぞ!」

「見回りならお供します」

「・・・・」

邪魔をするな!
されど…縁組みも、正式にはまだ
決まってはおらぬものを、口にしても
良いものであろうか…はあ--

王様に仕える 迂達赤が女人に
現(うつつ)を抜かすなど言語道断と
大護軍よりお叱りを、受けるやも知れぬ

「護軍?護軍!!」

「・・・・なんだ、煩い!」

「正式に決まれば教えて下さい
俺は、失礼ながら大護軍より長く
護軍と共にいます!嬉しいに決まって
ます!」

「・・・・」

トクマンは胸を張りチュンソクを
見つめていた…

「・・・・ああ、分かった・・」

トクマンは一礼し、練兵場へと
走り去った

そうか…俺とチョモ、トクマンくらい
しか古参の 迂達赤はおらぬのか…
・・・死なぬ程度に鍛練をせねば・・・

チュンソクはそう思い
トクマンの後を追うのである


練兵場では新兵を中心とした
木刀での稽古をトクマンが
見回っていた

「おい、そこ!これが真剣なら
お前は殺られているぞ
神経を張り巡らし、後ろにも怠るな!」

「はっ!」

「ハヌル、力任せで相手に向かうのは
止めろ、お前の体力が落ちれば
しまいだ…小手先ばかり追うな!」

「はっ!」

らしくなってきたな…
チュンソクはそう思い
にやりと口の端をあげる





「王妃…具合は変わらぬか?」

「王様…変わりはありませぬ
もう三度目・・・政務の方に支障は
ございませぬか」

「ん?…王妃と赤子を案じて何が悪い
余が参るのは、迷惑か?」

「そのような事は、ございませぬ
妾は嬉しゅうてなりませぬ…」

「そうであろう…余は大護軍を
見習う事にしたのだ!
大護軍の地位とチェ家と言う名家で
あれば、第二婦人、側室がおっても
おかしくはないが、あやつは医仙殿
一筋…余も王妃一筋で生涯過ごす」

しれっと宣(のたま)う王様に
王妃は嬉しいやら、恥ずかしいやらで
ぽっと頬を染め言葉を繋ぐ

「嬉しゅうございます王様…
妾も王様一筋でございます…」

坤成殿へと、日に何度も脚を運び
王妃と赤子を様子を案じる王様
この日もまだ昼前に関わらず
既に三度目である

「そうじゃ、チェ尚宮
そろそろ戻るのではないか
良き知らせがあるのじゃ、大護軍と医仙
殿も喜ぶに間違いない」

「はい王様、明後日には、共に出仕する
段取りとなっておりますれば、そろそろかと思います」

「良き旅となったであろうかのぉ…
明後日…待ち遠しいのぉ…」

「王妃様、心に留め置いて頂き
感謝申し上げます、甥の事です
一層腑抜けになり戻って参る筈
お恥ずかしい限りでございます」

チェ尚宮が恭しく頭を垂れる

王様は、お茶をお飲みになり
すぐに政務に戻っていかれる


「王妃様、この度 医仙付き武閣氏カン
でございますが、里に戻る事と相成り
新しい武閣氏を医仙付きとしたいと
考えておりますれば、お許しを
頂きたく、お目通りをお願い致します」

「相分かった、通すがよい」

「はい」と一礼し、新しい武閣氏を呼ぶ

「入って参れ」

武閣氏の衣に身を纏い
アルが緊張の面持ちを浮かべ
入ってくる

「王妃様、医仙付きとなるアルで
ございます、これ、ご挨拶を
申し上げよ」

「はい、チェ尚宮様
王妃様、お目通りのお許しを頂き
身に余る光栄に存じ上げます
この度、医仙様護衛を拝命致しました
アルでございます、精一杯勤めさせて
頂く所存でございます」

アルは恭しく頭を垂れる

「医仙殿は、妾は義姉様と思うておる
しかと頼みましたぞ」

「はい!」




長閑な昼下がり
チェ家の屋敷は騒がしくなる

「ただいま!」

ウンスの元気な声が門から響いてくる

ばたばたとチョンスとエギョンが
出迎えに走る

「旦那様、奥方様お帰りなさいませ
お出迎えもせずお許しくださいませ」

「構わぬ、屋敷に変わりはないか」

「はい、変わりはございません」

「はい、エギョンお土産…
留守の間屋敷を守ってくれてありがとう
二人が居ると安心して屋敷を任せられる
これからも宜しくね…ふふふ」

ウンスは、テマンから風呂敷を
受けとると、満面の笑みを浮かべ
ながらエギョンを見つめる

「はあ…先ずは荷をお持ち致します
さあ、お疲れでございましょう
昼餉を召し上がりますか?」

「うん、ありがとう、お願いするわ
早く戻りたくて、昼餉まだなの」

「はい、すぐに支度を…旦那様も
奥方様もお元気そうなお顔を拝見でき
私らも胸を撫で下ろしております」

「あ、エギョン、ズボンとっても
楽だったわ、ありがとう暇なときでいいんだけど、洗い替えをお願い出来る
かしら…私裁縫は苦手なの…」

ウンスはぺろりと舌をだし肩を竦める

ヨンは然り気無くウンスの肩を抱き…

「すまぬが頼めるか、奥は縫いものと
飯の支度は幾分苦手ゆえ…」

「なにそれ~めちゃくちゃひどい
言い方~」

ウンスはぷっと頬を膨らませると
皆が、その愛らしい仕草に笑みを浮かべ
くすくすと笑っているのであった


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