木春菊  [偕老同穴] 108 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「まったく…こうも毎日煩いのは
困ったもんだね・・」

エギョンは恨めしそうに東屋を建築
している、屋敷の庭を睨み付けながら
呟く

「仕方がないだろうさ、皆さんの心遣
いなんだ、俺らたちもありがたく
思わないと」

「そうだけどさ、まさか王様や王妃様
までとは思いもしなかったよ」

「 典医寺 と迂達赤の皆さんが少しづつ
とチェ尚宮様が、ど~んと出した
らしいさ、マンボさんが言ってたよ」

「おい、俺たちもほんの少し出したぞ」

「ああ、そうさね、雀の涙ほどだけどさ
婚儀も早まり、奥方様も嬉しそうに
しておられ、お仕えする私まで嬉しいさ
正式な夫婦(めおと)となれば、誰に
遠慮もいらないさね、早く赤子の顔を
拝みたいものだよ…」

いつものように主が仲良く出仕し
屋敷の掃除に精を出す二人

庭では、せめて婚儀まで仕上げようと
精を出す数名の大工

「さあ…一服して下さいな」と
エギョンはお茶を持って来る

「すみませんね、気を使わせてしまって
流石チェ家の使用人さん方だ
身なりもきちんとしてるね」

「そんなことはないですよ…ふふ」

誉められ、がらにもなく上品に
微笑み返していると、チョンスが
どこからともなく現れ
エギョンを背に庇い大工を睨み付ける

「あ~あんた、どうしたのさ?
何か悪いもんでも食べたのかい…」

「あ…なんだか自然に身体が動いていた
ごめん棟梁・・・」

「別に構わんよ…でも、もしかして
大護軍様は、許嫁のお方を大層慈しんで
おられるとか…で、真似して見たかった
とか・・・?」

チョンスは棟梁に、図星を指摘され
顔を微かに赤く染め、身を翻し
庭をせっせと掃いている

「変な人だよ…まったく」




「婚儀が終わり、そのまま馬車で
市井を通り、屋敷で
医仙様の言う披露宴を執り行っては
どうでしょう?その方が警護がしやすく
なります…」

チュンソクはヨンの前で畏まり
婚儀当日、警護の策を話している

「されど、迂達赤を私用で動かす
訳にはいかぬであろう」

「いえ、当日は禁軍の護衛が付きます
我々は王様のおそばから離れる
訳には参りませんので…」

「そうか…すまぬな俺も当日は
一日空ける故、しかと頼むぞ」

「はっ!お、お任せ下され」

「ん?チュンソクどうしたのだ
お前が動揺しているように見えるが
何か、俺に隠してはおらぬか?」

「え?な、何も隠して等おりませぬ」


ヨンの急な問いに、チュンソクの声は
裏返り、素っ頓狂な声を上げている

「・・・チュンソク!」

「某はお役目があります故、これにて
失礼つかまつります」

チュンソクは一礼するとヨンの私室を
逃げるように後にする


『はあ~大護軍を騙すなど、俺には
無理な事、だがあの方にも逆らえぬ…』




時は一昨日に遡る・・・

「護軍よいな、これは王命である
余が玉座に座った折り、大護軍は一番に
民になると申してくれたのだ
あの折り、重臣らも誰も味方は
おらなんだ
大護軍には感謝しても
しきれぬのだ…一臣下に過ぎぬ大護軍に
と申す重臣もおろう、故にこうして
護軍に頼んでおる、当日は・・・・・
する従ってくれぬか」

「・・・されど、大護軍を騙すなど
某に出来るか、自信がありませぬ」

「騙すのではない!内密にせよと
申しておるだけなのだ…」

「内密に・・・」

王命にチュンソクは頭を抱える

それからヨンの前に立つとぎこちない
のは、己でも分かっていた…

迂達赤隊長として兵舎に顔を出した
あの折りより大護軍には、迂達赤を
鍛えあげて貰った事、男としても
芯が強くぶれない信念に
惹かれている己がいる事など、走馬灯の
様に頭の中を駆け巡る

「どうしたものか」と項垂れ
とぼとぼと歩を進めるチュンソク…


「あやつの態度…俺の目を誤魔化せる
とでも思っておるのか…」

チュンソクの後ろ姿を見つめ
ヨンは独り言を呟いていた


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