木春菊  [偕老同穴] 94 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています

「王様、少しお耳に入れたき事が
ございますれば」

「相分かった、皆の者暫し待たれよ」

王様はそう言い残しヨンとアンドチを
伴い私室に向かう

「王様、あの女官は赤月隊の仲間だった
男の妹らしく・・・チェ尚宮預かりと
致したくお許しを頂ければと・・」

「大護軍がそのように申すと言う事は
訳があるのだな?」

ヨンはすべて王様に話して聞かせた
恩があり断り切れなかった事
一人苦労した事
がしかし磨けば相当な武閣氏となりうる
腕があること・・・

「相分かった、辛い思いをしたのだな
養女とは名ばかりではないか!
ヤンの親戚筋も酷な事をするのぉ」

「はっ!人を人とも思わず使い捨ての
道具あるいは、動物のようなものと
一部貴族には思い込んでる節が
ございますれば・・・」

「そんな世を正さねばならぬな・・」

「はっ!王様のお力にて
是非世を変えて頂ければと」

王様は唇を噛みしめポツリと呟くと
ヨンは王様に強い眼差しを向けた


こうしてミントは武閣氏となり
チェ尚宮の元で、その力を
発揮することになる


「皆の者よく聞け!此度我が王妃は
懐妊しておるが、今が大事と医仙殿の
教えを守り、王妃が気鬱となり得る
やも知れぬ事、今のように余に側室を
との案件は受け付けぬ!医仙殿が
申しておった、この地で女人が子を
生むと言うことは命懸けと・・・
ゆえに、王妃には心穏やかに過ごして
貰う、よいな!大護軍そなたも
何かいいたかろう、申してみよ」

「はっ!では、人を人とも思わず
虫けら同様に扱う一部貴族がおると
聞き及ぶ、以後このような国の恥となる
貴族には、王様にお頼み申し上げ
きつく断罪して貰うつもりでおる
方々も十分気をつけるがよかろう」

「この地の民を蔑ろにする者は
余は決して許さぬ!先ずはリ・ヤン
そなたの親戚筋を含め処罰を申し渡す
どんな難題も断れぬように、恩を売り
情報を得ようとする、そなたの行いには
納得しかねる、ゆえに今より出仕には
及ばん隠居を申し付ける、人を人とも
思わぬ親戚筋には開京追放と致す」

ざわざわと騒ぎだす重臣たち

「王様、そのようなことは事例が
ございませぬ、何卒お考え直しを
お願い申し上げます」

「事例とな?流刑、斬首ばかりが
刑ではない!民を苦しめた罪は重い
そうとは思わぬか、民がおるゆえ
国は成り立つ!それが分からぬのか」

重臣らは俯き語尾を強め力強く話す
王様をみやることは出来ずにいた
肩を落とし出て行く、リ・ヤン
その背を重臣らは、黙って見送るしか
なかったのである・・

「大護軍、大義であった医仙殿の元へ
戻られよ、そして伝えてくれぬか
余は、民が笑える国を作る!
ここに誓うとな」

「はっ王様のお気持ち必ずや」


宣仁殿を後にすると雪はちらほら
舞ってはいるが、日差しがあり
清々しい風が吹いていた
春の気配を感じる昼下がりであった


「ウンス!」

「ヨン!!」

ウンスは私室で窓際の椅子に腰掛け
典医寺に繋がる階段を眺めていた

ヨンの姿を見つけると、満面の笑みを
浮かべ飛び出してくる

「大人しくしておったのか」

「あたり前じゃない!私、倒れたん
でしょう?」

「ああ、そうであった」

「何よ~その言い方!!」

ウンスはヨンの胸の中に囲われ
ぷっと頬を膨らませ、ヨンを見上げる

「あの狸じい様方はどうなったの?」

「リ・ヤンは隠居となった、親戚は
都追放と相なった」

「そうなの・・・仕方ないわね
王妃様のところに間者を送り込んだ
んでしょう、許せないわ」

ヨンは王様からの伝言をウンスに伝え
ミントの話を聞かせる



「・・・ひどい話よね、妹さんきっと
立派な武閣氏になるわ、だって叔母様が
上司、あ、ごめん上官なんだから・・
それに貴方の家族だった人の妹さん
なんだから悪い人じゃない筈よ
いつか会ってみたいわ・・」

「ああ、いずれ正式に武閣氏となれば
会うこともあるやも知れぬな」

「えぇ、楽しみだわ、それに王様の国
作りもすごく楽しみよ、皆が笑える
高麗になれば良いんだけど・・」

「そうだな、王様ならいずれできるで
あろう、俺も信じておる
さあ、休まねば俺がずっと付き添う故」

ウンスは頬を染めヨンを見つめる
だが、釘を指すのも忘れない

「 典医寺よ、私の仕事場よ」

「ぷっ、分かっておる」

ヨンはウンスの笑顔をみやり
自分の悲しい過去は心の奥底に
封じ込め、ウンスを王様を民を守り抜く
事を誓うのであった


ポチっとして下されば嬉しいです




にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村