木春菊  [偕老同穴] 89 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「え?もうお帰りになったの?」

「はい、日の出前にお戻りになられまし
た、私どもの部屋までわざわざお越しに
なり、戻る故門扉に閂を掛けろと
仰せになり、お戻りになられました」

「朝餉は?」

「お聞きしたのですが、王宮で召し上が
る故要らぬと仰せでした・・」

「ウンス、気にせずともよい
王様が戻られる前にと、王宮に戻ったま
で」

「でも・・なんのお構いもしてないのに
かえって、お疲れになられたかも
しれないわ、私たちの為に悪いこと
しちゃったわね・・・」

ウンスは肩を落とし椅子に腰掛ける

「 朝餉をお持ち致します」

「お願いね・・」



「もう一月もすれば、少しは春めいて
くるのかしら、いつまでも寒くて
かなわないわ」

「毎夜温めておるではないか、足りぬの
なら、俺は朝まででも構わぬが、ん?」

「結構です!これ以上は遠慮いたします
・・・ふふふ」

王宮に向かい歩みを進める二人
ウンスが転ばないように、腕をしっかり
組み前を向き歩く、その後ろを
テマンが二人のひそひそ話を
聞かないように配慮して付いて行く




「王妃様、おはようございます
診脈に参りました・・失礼します」

「義姉様よろしゅうお頼みします・・」

王妃様は先日までとはまるで
別人のように凛とし輝いて見える

「王妃様、とてもお美しいです
国母に相応しい輝きです・・」

ウンスは思う
母になると言う現実が、このように
自信に充ち溢れさせ輝かせる物なのかと
どれ程待ち望んでいたのだろうと・・


「今日は滑脈がしっかり感じられます
王妃様、食の方はどうでしょうか?」

「医仙、今のところ悪阻はないゆえ
普段通り食しておられる」

「そうですか、それは何よりです」

「義姉様、お茶を・・・市井を
回っておると伺いました、お疲れに
なられませぬか?」

「いえ、大丈夫です、王妃様は
お気になさらず、私の為でもあるので
すから・・・ふふふ」

「そうじゃのぉ~次は義姉様の番じゃ
妾も楽しみにしておるゆえ」

卓の上には 、梨茶と お菓子は油蜜菓(ユミルグ)が綺麗に盛り付けられ
置かれている

「失礼して頂きます、ほんのり甘いお茶
なんですね、とても上品なお味です」

「義姉様、お言葉がちと・・」

「ふふふ・・叔母様に教わりましたから
王様、王妃様の面前では、気を付ける
ようにと、まだまだですが」

「王様はいざ知らず、妾は義姉と
思うておるのじゃ、いつもの義姉様で
よい、チェ尚宮も余計な事を・・」

王妃様はそう話されるとちらりと
チェ尚宮を横目で睨む真似をする

「されど王妃様、医仙もこの地に留まる
決意をなされ、大護軍と正式な婚儀が
済めば、知らなかったでは済まされぬ
折りもありましょう」

「そうかも知れぬのぉ~天真爛漫の
義姉様が見られぬのは
ちと寂しく思うが、致し方あるまいか
のぉ」




診脈を終え武閣氏に戻ると、叔母が
後を追うように訪ねてくる

「あやつにも時期に来よう、王妃様が
案じておられる故、婚儀の話を決めねば
ならぬ、王様にも報告せぬばならぬで
な」


「叔母上、俺は忙しい何用なのだ?」

「戯け!これだからお前に任せては
おれぬ、婚儀の話じゃ、ウンスの私室で話をするぞ」

三人は私室まで向かう

「衣は赤でよいか?これは私が用意を
する、いやしてやりたい・・」

「叔母様・・・ありがとうございます」

ぐっと唇を噛み締めた叔母の仕草に
ウンスは叔母の想いを感じとり
素直に甘える事にする

「期日は秋の○月△日でよいか?」

「はい、お任せ致します」

「婚儀を執り行う寺は鉄原で致そうと
思っておるが、ちと遠くどうしたものか
考えあぐねておるのだ」

「盛大にやらずとも、俺はウンスと二人
それと唯一の身内である叔母上が
見届けてくれたらそれでよいが・・
天界の義父上、義母上にはお会いする
事は叶わぬが胸の内で誓う
生涯離れず守り通すと・・」

「叔母様?天界では身内だけで
式を執り行い、披露宴と言う宴を催し
そこで友や、親しい人に祝って貰うん
です、それは難しいですか」

「宴をか・・・」

叔母はどうしたものかとポツリと
呟き天を仰ぐ

「考えてみる事にする、宴を催すなら
迂達赤、武閣氏も祝えると言う事だな」

「ええ、勿論この人の大切な家族ですし
武閣氏は叔母様の身内も同然だと
思いますし、典医寺のみんなにも
参列して欲しいですから」

「理解した・・ところで真に民の
前で口づけを交わすのか?」

「王様がそう言われたではないか
今更どうしろと?」

「いや、止めておけとは言わぬが
民の前で、大護軍が口づけを交わす等と
重臣が異議を申せば、王様が苦境に
たたされはしまいかと案じておるだけ
じゃ」

「あり得るやも知れぬな」




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