木春菊  [偕老同穴] 88 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「婚儀の装いを決めねばな、私は
ウンスは肌の色が白い故、赤がよいかと
思うが、ヨンお前はどう思う」

「俺には分からぬ、ウンスは何を着せて
も似合う故・・・」

「まったく腑抜けでは役にたたぬな・・
ウンスはどう思う」

「私はこの人の正式な奥方にさえ
なれたら、幸せなんで・・でも花嫁衣装
は、着れるものなら着てみたいです」

ウンスは恥ずかしそうに俯き
もじもじと呟く

「そうであろう、女人は一生に一度の
夢と聞く、ましてやチェ家の婚儀じゃ
盛大にやろうと思っておるが、天界の
親御にも思いを届けねば、ヨン!
確り致せ」

今の幸せに現(うつつ)を抜かし
叔母に言われ我に返るヨン

「すまぬ、ウンス・・忘れていた
訳ではないが、隣におるのが自然と
あたり前になっておった、叔母上の
言われた通り天界の義父、義母にも届け
ねばならぬ、この地で幸せに暮らして
おると・・そして俺が離せぬ故
寂しい想いさせて・・・」

「ヨン?それは言いいっこなし
私の意思で戻って来たの、ヨンのせいじ
ゃないから、もうこれ以上同じことは
言わないで本当に怒るから!」

「・・・」

「鬼神と言われるこやつが嫁御に
嗜められるとは・・・愉快じゃクックッ」

「叔母上・・・笑わずとも」

「笑ってなどおらぬわ、息が漏れただげ
じゃ!」

卓に腰掛けこんなやり取りをしていると
エギョンが新しいお茶を持って居間に
姿を現す

「チェ尚宮様、夜も更けて参りました
客間に床の支度を致しましょうか?」

「ん?そうじゃな今日は王様がお泊まり
故、私も泊まらせて貰うが構わぬか?」

「ええ、もちろんです、是非泊まって
下さい、エギョンお願いね」

「はい、すぐに」

「叔母上の実家でもあるのだ、遠慮など
せずともよいではないか」

「そうなの?知らなかった・・
まだまだ知らない事ばかりね」

ウンスは俯き唇を噛み締める
その様子をヨンが見逃す筈がなく
卓の下で、ぎゅっとウンスの手を握る

「そうか、ゆるりと聞かせる折が
なかったな・・ここはこやつの祖父
チェ・オンは私の父上この構図は
分かるな?」

「はい、この人の叔母様ですから」

「こやつの二親の話は聞いておるか?」

「以前少しだけ聞いた記憶があります」

「ならばいまはよいな・・
父上は貢女として、元に朝貢品の一つ
として差し出されるのを避ける為
私を幼き頃より女官見習いとして
王宮にあげたのじゃ、そして武閣氏と
なり、今がある・・・」

「・・・・大変だったと思います
戦ばかりの世で、我が身を守り
家族を守る為に苦肉の策だった筈です」

「そうじゃな、父上には感謝しておる
チェ家を存続に導いてくれた事を・・
それ故こやつの嫁御に、ウンス
そなたにめぐり逢うことが出来た故な」

「義父様の家訓がこの人を導いて
くれたと思っています、ねぇヨン
王妃様のお子が生まれ落ち着いたら
叔母様と三人で、お墓にお参りに
行かない?来年になるけど、ちゃんと
手を合わせたいわ、婚儀を挙げましたっ
て、報告しなくっちゃね」

「チェ家の墓は鉄原故遠いが、叔母上は
お歳故・・・痛!」

「馬鹿者!年寄り扱いするでないわ
まったく・・鉄原までなら馬で駆けれる
ぞ!」

「ウンスの前で何度も叩く事はなかろ
う・・」

ヨンは頭を押さえながらポツリと呟く

「ウンスの前だから、叩けるのじゃ
いくら甥、叔母の間柄でも、そなたは
大護軍ゆえ、他人の前で叩けるか!」

ウンスは頬を緩めその光景を眺めていた

「本当は仲が良いのに、二人とも意地の
張り合いで・・・ふふふ、可笑しいわ」

「口煩い叔母上なだけだ!」
「出来の悪い甥なだけじゃ!」

甥と叔母の違う言葉がそれぞれ
口を突いて出る

「ぷっ・・アハハハ」

ウンスの笑いに、二人は同時に後頭部に
手をやり苦笑いを浮かべる


「んっ・・話が逸れたな
どこまで話したかのぉ・・おおそうじゃ
家訓とは何故ウンスが知っておる?」

「天界にもチェヨン大将軍の事は
残っています、 黄金を石ころのように思う人間となれ、お父様の遺言ですよね
学校、いえう~ん・・勉学を学ぶ所
の本、文献みたいなものと思って
ください、それに残っています」

「兄様の遺言が、天界に伝わって
いたと申したか!」

「はい」

叔母は驚き語尾を強めウンスに問い
ウンスは黙って頷いていた

「そうであったか・・されど真に
こやつの事か?信じ難いが・・」

「叔母上、俺は先の世に名を残す
大将軍ではない、一人の女人を恋慕い
生を閉じた、ただの男でよい」

「そうじゃな、その方がお前らしい
かも知れぬ・・・」

「ありがとう、ヨン・・・」

二人は互いに目元を緩め見つめ合う

「これ、お前達叔母の前で口づけを
交わすつもりではあるまいな?」

「・・・・・すみません・・・」

ウンスは小さな舌をペロッと出し
肩を竦める

「・・まったく・・そのような事は
二人の折りにしておくれ、今宵は
これでしまいじゃ、疲れた故、先に
休むとするか、客間を借りるぞ
明日も王様がお泊まりになられたら
参る故、決めてしまうぞ」

そう言い残し叔母は居間を後にする



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