木春菊  [偕老同穴] 68 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています

市井で買い物を済ませると、既に
日は西に傾き始める

テマンとチョンスは、両手いっぱい
荷をぶら下げていた

「医仙様、これだけの量どうするので
か?流石に医仙様お一人で食えば
腹を壊します!」

「まさか、そんなに食い意地張ってる
ように見えるてるの!失礼なんだから
・・もうじき分かるから待って
いてね」

屋敷に戻り、ヨンの為に 夕餉 の支度を
手伝い、その後ヨンに贈る手巾に
刺繍施せないかと、悪戦苦闘する

「人は器用に縫えるのに、これは苦手
でも・・ヨンに喜ぶ顔が見たいから
そうだ明日から、叔母様の所よね!
教えて頂こうかしら・・」

指先に幾つも針を刺し、血がうっすら
浮かぶのを眺めながら自身に渇を
入れ『ファイティング』と胸の内で呟く

薬菓(ヤックァ )と油蜜菓を
色とりどりの端切れで綺麗に包む

「典医寺の皆でしょう、迂達赤の皆
王様には失礼かしら・・・」

お二人には、揃いの手巾を
買い求めたが・・・

「ヨンに相談しようかしら・・」


色々思い悩み屋敷の中を右に左に
動き回る・・

「奥方様、どうされました?」

「え?ごめん・・旦那様が戻ったら
相談しようするから、気にしないで」

「はあ・・分かりました
屋敷の事は分かりますが、外の事は
お役に立てそうもないので、すみませ
ん、そろそろ旦那様が、戻られるかと
配膳を致しますが、奥方様も居間の方
へお越し下さいませ」

「え!もうそんな刻限なの?」

うろうろ動き回るウンスを、不思議に
思いエギョンは声を掛けた


蹄の音が遠くに聞こえ
ウンスは居間を飛び出して行く

「奥方様!走られては転びます!」

エギョンは叫ぶが・・
ウンスの姿はもうなかった
「はあ・・」とため息を吐くと
ウンスの後を追う


門の外までウンスは来ていた


『ん?ウンス!』

辺りは既に夕闇に
包まれようとしていたが、ヨンには
すぐに分かった

チュホンに股がり颯爽と雪道駆け
ウンスの元へと急ぐ

「わああ・・・」

雪に脚を取られ、横滑りすると
素っ頓狂な声を出し、両手でバランスを
取ろうとしていた

「ウンス!」

チュホンから飛び降り
ウンスを抱き止める

「危ないではないか!駆けては
ならぬと申しておろう、全く貴女と
言う方は・・・」

「ありがとう、一日会えなかったから
会いたくて、待ち遠しくて・・
ごめんなさい」

ヨンはウンスの言葉に目元が緩む
その胸に囲い瞳を見つめ・・
照れたのか、ポツリと呟く

「俺も典医寺にウンスがおらぬと
思えば・・何やら張り合いが湧かず
寂しく思えておった」

「あれ、ヨン?顔が赤いわ
照れたの・・・?」

「そ、そんな事あろう筈が・・・
もう良い屋敷に戻るぞ、寒くはないか
外套も羽織わず、風邪でも引いたら
どうするのだ、ん?」

ヨンはそう言うと、己の外套を脱ぎ
ウンスに羽織わせる

今日の出来事を話
屋敷まで僅かな道のりを歩いて戻る

ウンスの後を、追い駆けて来た
チョンスに手綱を渡す


「旦那様お帰りなさいませ」

「ああ、戻った」

エギョンの挨拶を受け、二人は屋敷の
中へと脚を踏み入れる


「今日は、奥の我が儘を聞いてくれたの
であろう?すまぬな」

夕餉の膳が並ぶ脇に控えるチョンスと
エギョンに向け労いの言葉をヨンは
なげかけた

「滅相もございません旦那様、私達は
楽しゅうございました」

エギョンの言葉にチョンスは頷くが
テマンは苦笑いを浮かべていた


ポチっとして下されば嬉しいです






にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村