歓迎会当日の昼過ぎに
トルベとウォルは帰国していた
月曜日の朝にお土産を
渡せば良いと狭いアパートで
二人仲良く過ごしていたのだが・・・
ヨン…こっちの服の方が良いかな…
これは地味よね?
ウンスは地味系の
ベージュのパンツスーツと
春を感じさせる
薄いブールのワンピースを
ヨンに見せている
・・・・・
ねぇ…聞いてる?ねぇ…ってば?
と、ヨンのそばまで行くが返事がない
眉間に皺を寄せパソコンを覗き込み
何かのページを検索している
出戻りの同期の名は?
え!キム・ヒスンだけど
どうかしたの・・・
いや、良いんだ・・・
服はパンツスーツで良い
人妻なんだから、派手な格好する方が
おかしい、ちょっと出掛けて来る
テマンを残すから一歩も家から出るな
直ぐに戻る・・・
は~い、待ってる
行くのよね、一緒に・・・
あ…とだけ一言残し
ヨンは出掛けて行った
振り返りもせずに・・
ふぅ~ご機嫌ななめか・・・憂鬱だな…
でもする事は確りする癖に
などと胸の内で思い、言われた様に
パンツスーツを着込み
ヨンに貰ったネックレスを付け
出かける準備をしている
テマン~?
ヨンが帰って来たら出掛けるから
支度してよ~
一階に居る筈のテマンに
寝室から声を掛ける
は~い姉さん
半時間程でヨンが帰って来た
行こうか・・・
車に乗り込み焼き肉屋へ
じゃ後でね・・と
ウンスは予約してある個室へ
個室と言っても完全個室ではなく
隣の客との仕切りの壁があるだけで
後はオープンになっていた
ウンスの入る個室を背に
カウンターでヨンとテマンは腰を掛ける
好きな物を注文しろ
ヨンは背後に気を巡らす・・
焼き肉など、どうでも良いのだ
テマンが一人で焼いて一人で食べる
あの・・お客様お気に召しませんか
店員は腕を組み瞳をきつく瞑り
口元は真一文字に結ぶヨンに
恐る恐る声を掛ける・・
ん…気にしないでくれ
弟が肉を食べたいとせがむから
連れて来ただけだとテマンの頭を
ぐしゃぐしゃに撫でてやる
お~ウンス先生…久しぶり
そうね久しぶりね…キム・ヒスン
他愛のない会話が漏れ聞こえる
男性二人、女性二人
まるで合コンの様だ…
これしか来ないの?
まだ来ると聞いていたけど・・
必ず参加って聞いたから
旦那に無理言って来たのよ
お、ウンス先生、結婚したのか?
そうよ…ほら・・・
と、嬉しそうに左手薬指に光る
結婚指輪をちかつかせた
呼んでくれよ、ウンス先生は
同期のアイドルだったんだからな
キム・ヒスンは気楽に
ウンスの肩に手を置こうとしたが
あ、ごみが・・と
それを何気にかわすウンス
チッ…舌打ちが聞こえた気がする
私、帰ろうかな…もっと沢山居るなら
まだしも・・・
旦那も待ってるから…
ウンスは
立ち上がろうとしたが・・・・・
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