ヨンは建設中の病院事を
チャン先生に話して聞かせた
来年の今頃には開院の運びとなる筈
それまで内科医として診療所で一緒に
仕事をしないか？
開院する病院の医師を
募集するつもりでいたんだが・・
返事は勿論、今でなくて良い
ヨンはチャン先生の人となりを
理解している為に、共に働いて行ければ
と考えた様だ
チャン先生、一度遊びに来て下さい
ウンスは返事を躊躇している
チャン先生に助け舟を出したのだ
そうですね…ここを閉めたら
一度伺いたいと思います
まだ私が住んでいたアパートが
空き部屋の筈だから
住まいは確保出来ると思うわ
ぐぅ～
誰かの腹の虫が盛大になる
わ、私じゃないわよ
ウンスが顔の前で
手を左右に振り否定する
お、俺です・・・
テマンがおずおずと片手を上げた
いやだ…今何時ごろなの？
先生もう18時に成ります
そうなの…テマンごめん
お弁当持って来たのに…
トルベさん
スーツは買ったのかしら？
まだです、ちょうど探していたら
さっきの騒動に出くわしたんで…
じゃまだ店舗は開いてる時間よね
行って来て頂戴…邪魔は出来ないわ
ウォルとの将来がかかってるスーツ
なんでしょう！
そう言うとトルベとウォルを立たせた
はい、ではお言葉に甘えて
そうさせて頂きます
助けてくれてありがとう
私たちは余り外には出ない方が
良いと思うから、ここで失礼するわ
テマン…悪いけど駐車場の場所
分かるわよね？
はい
じゃあお弁当持って来てくれる…
テマンすまないな
テマンに車の鍵をヨンが渡す
じゃあ行って来ます
テマンは鍵を貰うと
もう姿は見えない位に
ずっと前方を走っていた
はやっ…ヨン見てよ
もう見えない位よ…ふふ
チャン先生もまだでしょう
沢山作って来たから一緒に食べましょう
お仲間に入れて頂けるのでしょうか
勿論よ…こうしてまた会えたのよ
あの時代もヨン以外
唯一の協力者だったんだから
バタン
病院の扉が閉まった音がする
一斉に振り返るともうテマンが
そこに立っている
はやっ・・・
テマン…どれだけ速いのよ
ウンスは大きな瞳を更に大きくし
瞬きを繰り返し驚いている
テマンの腕には確りと弁当の入った
トートバッグが握られている
鍵をヨンに返すとテマンは
待ちきれないと言わんばかりで
ヨンとウンスの様子を伺う
分かったわよ！頂きましょう
ウンスが弁当を広げると
テマンは握り飯に飛び付いた
ヨンも食べて、チャン先生もどうぞ
では頂きます…
塩加減が絶妙で旨いですよ
そう、何だかヨン以外の男性に
褒められたら照れるわね…ふふ
ウンス！！
え？何…
大きい声に驚いて、横に座るヨンの顔を
覗くと眉間に皺を寄せ
何かを言いた気な
ヨンの顔がそこにはあった
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