サザエさんー道徳-6
カツオ君!余計なことを言ったら駄目だよ!
朝日文庫版26巻〔73頁〕・昭和38年
『花嫁衣装に文金高島田の娘さんが、紋付を着たお母さんを引き連れ街中を歩いています。その後に沢山の野次馬がぞろぞろと付いていきます。カツオ君も、何を思ったのかハッとして見ています』
『カツオ君は、知り合いの青年の家に飛んで行きました。カツオ君は、窓辺に出てきた青年に何かを教えています。その青年は、眉を逆立てて怒り、カツオ君の頭をポカリと殴ってしまいました』
『家に帰ったカツオ君は、頭に大きなタンコブを乗せて、お父さんとお母さんの前で大泣きしています。お父さんは、着物の袖をまくり上げ、「お嫁さんがとおるのをしらせたのになぐるとはけしからん」とカンカンになって怒っています。お母さんは、カツオ君がかわいそうだと思い、「むちゃだわ」と怒っています』
『お父さんは、カツオ君を引き連れて、青年の文句を言いに行きました。青年は、カツオ君が、あの時、「しっかりしなよ また行かれちゃったじゃないか といったんだ!ちくしょう・・・・・・・・」と言ったんだ、と言うと溢れる涙を袖口で拭っています。お父さんは、「あいすみません・・・」と青年に謝り、泣き続けているカツオ君の頭を押すようにして帰りました』
カツオ君、駄目だよ、失恋したのかもしれない、いや!失恋したに決まっている青年に、そんな余計なことを言っては駄目だ!
青年は、「しっかりしなよ また行かれちゃったじゃないか といったんだ!ちくしょう・・・・・・・・」とまで言われれば、悲しくなり、カツオ君に対して大きな怒りが込み上げたに違いがない。その証拠に、君の頭の上に乗っているタンコブは、今まで見たこともないくらいデカイぞ、痛かっただろうな!
そんな大きなコブを乗せた君を見たお父さんは、「カツオ君は、ただ単に、青年に「お嫁さんが通っているよ見てご覧!」と言いに行ったに違いない」と思ったんだネ。
君が言ったのは、そんな単純なことではなかった。
繰り返し失恋している青年に対して
「しっかりしなよ また行かれちゃったじゃないか」
とは、かなり強烈だったんだ!
青年に息子を殴られて、抗議に行ったお父さんは、真実を知り、そういうことだったらカツオが間違っていると判断し、
「あいすみません」
と言うと
「・・・・・」
と何にも言えなかったじゃないか!
カツオ君!前にも云った通り
「大人をカラカッたら駄目だ!」