サザエさん―可笑しな女
魚ではないサザエさんが、なぜ逃げるのでしょう?
朝日文庫版2巻〔5頁〕・昭和22年
『門柱に「山田」と書いた表札がある屋敷の門の前に、魚を入れた桶が置いてあり、その桶の蓋を押しのけて一匹の猫が桶の中にある魚を覗いています。通りかかったサザエさんが、それを見て思わず「アラ!!」と言ってしまいました』
『その時、屋敷の奥の方から、袢纏を着た粋な姿の魚屋のお兄さんが、天秤棒を振り上げて飛び出してきました。お兄さんは、デッカイ声で「コンチクショウ!」と怒鳴りました。そこにいたサザエさんも、お兄さんの怒った姿を目にして、ビックリしています』
『猫は、素早く逃げ去りました。と同時に、そこにいたサザエさんも、買い物袋をシッカリと握り締め、必死に走り去りました。それを見た魚屋のお兄さんは、キョトンとしています』
『魚屋のお兄さんは、天秤棒を持ち、頭に手をやり、「おかしなおんなだなあ」とわけのわからぬ顔をしています』
昔の昭和の話です。魚を桶に入れ、桶を天秤棒で担いで売り歩いていた古い時代の話です。
桶に入っている魚を覗き込んでいた猫が、「コンチクショウ」と怒鳴られて、慌てて逃げ去るのは判ります。しかし、サザエさんも逃げ去ってしまった理由がわかりません。三コマ目の絵の中を、何度も繰り返して見てみても、逃げ去る理由が理解できません。猫とサザエさんは、逃げる方向は違いますが、同時に走り去っています。魚屋のお兄さんでなくても、逃げ去っていくサザエさんを見ると「おかしな女だなー」と頭をひねります。
年の瀬ですから、これ以上、頭を捻るのは止めにします。理由がわかったら改めて書きます。