サザエさん―シルバ(54)
母の日のプレゼントは、布団の中に入れるものではありません。
朝日文庫版44巻〔57頁〕・昭和48年
『今日は、母の日です。カツオ君とワカメちゃんがよそ行きの服を着て、お母さんと一緒にお出かけです。ある家の前で、相当の歳のお婆さんが、竹箒で、お掃除をしています』
『その後、そのお婆さんは、家の中にいます。忙しそうに家事をしています。お婆さんは、お膳の上に散らかっている、食器や箸などをお盆の上に乗せてて、後片付けをしています。その前で、鼻髭をはやし、デップリと太った浴衣を着たオジサンが、碁盤に碁石を並べながら、頭をひねっています』
『お婆さんは、夕食の後片付けも終わり、裁縫道具を取り出し、自分の足袋を繕っています。その横で、でっぷりと太ったオジサンは、寝そべってテレビを視ています』
『お婆さんが、もう寝ようと思って、寝室に行き、敷いてあった寝床の上布団をあげると、その中に、リボンで飾られた反物と菓子折がありました。それを見たお婆さんは、「あのコはテレ屋でから」と、驚いたような嬉しそうな顔をしています』
良かったですね!お婆さん。母の日だというのに、全く無視したような息子さんが、本当は、お婆さんのことに感謝し、大事に思っていたのですよ。
お婆さんも、この息子さんに、母の日だからと、何も期待していたわけではないでしょう。
しかし、知らん顔をしている息子さんが、寝床の中に、母の日のプレゼントを、ソーッと忍ばせていたんですね。泣かせますね。
どうして、こんなややこしいことするんでしょう。
ああ!そうなんですか?息子さんは、テレ屋なんですか?
普通の息子さんだったら、
「お母さん、今年で88歳だったね!良く長生きしてくれたね。今日は母の日だから、何時もお世話してくれる母さんに、何年ぶりかな~、プレゼントを沢山あげるよ」
と手渡してくれるでしょう。しかし、お礼の言葉もなく、布団の中にプレゼントを忍ばせるようなことをするのは、何時までも母離れできないからです、ちゃんと叱ってやりましょう。
エ-ッ!息子さんは怖がりですか?
そう言えば、この間、怪奇テレビを視た後、一人でトイレに行けなかった息子さんですか?
お婆さん、息子さんを何時までも甘やかしたらいけません。もう大概に乳離れさせないといけません、あまり甘やかすから、「お母さん!プレゼントだよ」と何時までも言えない子になってしまいますよ。あれ!なんだか変だ!