サザエさん―シルバ(33)
ついに、サザエさんが、お婆ちゃんになって登場しました。
朝日文庫版44巻〔121頁〕・昭和48年
『お婆ちゃんが、小振りの桐箪笥と飾棚のある茶箪笥とが並べて置いてある部屋に、煎餅布団を敷いて、その上に座り、寝間着の肩口から、50cmくらいの長さの物指しを突っ込んで、背中を盛んに引っ掻いていました。そこへ、髪の毛は既に後頭部にしか残っていない、ハゲ頭で、鼻の下に短い髭を生やした、スーツを着た、見た目は恰幅のいいオジサンがやって来ました。直ぐに、靴を脱いで部屋に入ってくるオジサンを見たお婆ちゃんは、「敬老の日にしかカオをみせず・・・はく情もの」となじっています。するとオジサンはお婆ちゃんに向かって、「けど姉さんおれも生活におわれちゃってサ」と渋い顔をしています』
『オジサンは、上がり込んで、布団の上のお婆ちゃんの前に座り、灰皿を畳の上の置いて、煙草に火をつけ、ゆったりと喫みはじめました。タバコを手にして、部屋の中を見回しています。お婆ちゃんの桐ダンスの前には幾つかの熨斗袋や菓子折が立て懸けられています。オジサンの目は、それらの所で止まり、オジサンは「ホー都や区からお祝いが来てるなァ」と呟いています』
『それから、オジサンはお婆ちゃんの方に手を合わせて拝むようにして、「ちょっとくんない?このインフレでサァ」と泣きついています。と突然、お婆ちゃんは「ンマ~~~カツオ!!」と叱りつけています。』
『サザエさんは、夢を見たようです。変な夢を見たと思い、自分の布団を畳んで押し入れに押し込みながら、起きて着たカツオ君に、「あんたって人、みそこなったわ」とプンプンに怒っています。思わぬ言いがかりをつけられたカツオ君は、「なんだなんだ、そっちこそかってなユメを見てっ」とカンカンになって、怒っています』
ついに、サザエさんが、お婆ちゃんになって登場しました。この作品は、ズーット以前、ブログ起承転結で取り上げていますが、その時と視点が違っていますので、表現解釈は違っていると思います。振り返って調べてみようと思うだけで確認はしていません。お年寄りを扱っている『サザエさん』も、ついにサザエさん自身をお年寄りにしているのを、再読し、お年寄りのサザエさんの姿が面白く、又、大人になったカツオ君も見ることができ、再度取り上げました。
歳の離れた兄弟ですから、サザエさんとカツオ君は、描かれた通りの、お婆ちゃんとオジサンの関係になっていると思わせます。
それにしても、都や区からお祝いを貰って、並べ飾っているサザエさんが、滑稽です。お年寄りですから、勿論、サザエさんであっても、頬には太い皺が走り、あの愉快な独特の髪形も消え、白髪は後ろの方で一つに束ねられています。いかにも年老いたお婆さんです。これを見て、滑稽だとほほ笑むとよりも、歳は取りたくないと思う人もいるかもしれません。
これに対して、少なくとも10歳は、若いと思われる、オジサンのカツオ君は、お父さんに似て、頭は禿げていても、ぶくぶく太って元気なようです。ただ、年老いたサザエさんに金を無心に来るとは情けないですね!
年老いたカツオ君は、お父さんに似てハゲ頭です。がしかし、頭の天辺に一本の毛もありません。ツルツルです。お父さんのハゲ頭に一本の毛を残すというDNAは、カツオ君には遺伝しなかったようです。
そして、カツオオジサンは、髭を生やしていません。髭がないのは、毎日剃っているからでしょう。まさか、頭のてっぺんの髪の毛も剃るということはないでしょう、お坊さんでなないはずですから。
今、サザエさんが、カツオ君に、この夢の話をすれば、「俺はそんなことしないよ」と、それは怒るでしょう。
カツオ君、年老いたサザエさんに、金の無心をするようなことは、絶対しないようにしょう。
それにしても、マスオさんは、年老いたらどうなっているでしょう?
「カツオ君お姉さんに金を借りるのはよしなさい!」
と叱りつけるマスオお爺さんがいるかもしれません。