サザエさん―シルバ(12)

孫たちに冷やかされても、やりたいことはやりましょう。

朝日文庫版19巻〔7頁〕・昭和32年

『年寄りの日です。年老いて縮んでしまったような可愛いおばあちゃんが、オルガンを弾いて、大きな声で歌っています』

『そこへ、姉弟の小学生がやってきて、おばあちゃんに向かって「としよりのひ○○○」と冷やかしています。おばあちゃんは、オルガンを弾くのも、歌うのもやめ、2人を振り返り、「また!!」と叱っています』

『丁度その時、タラちゃんを背負ったサザエさんが、その家の窓の外を通りかかりました。おばあちゃんは、怒って2人の孫を追いかけていました。その様子を見たサザエさんは、「アラおばあさん としよりのがどうしていけませんの?」と笑いながら聞いています』

『2人を部屋から追い出したおばあちゃんは、又、オルガンの前に腰かけ、オルガンを弾いて、歌をうたい始めました。まだ窓の外には、サザエさんが背負ったタラちゃんをアヤしながら、おばあちゃんを見ていました。気がついたおばあちゃんは、サザエさんを振り返り、「いーえあなた としよりのひやみずといって まごがひやかしますので」と言いました』

 

お元気なおばあちゃんです。オルガンを弾き、合わせて歌を歌っています。それを見た姉弟の孫たちが「としよりの冷や水」と言って冷やかしていたのですね。

窓の外には、サザエさんが、おばあちゃんに、「今日は年寄りの日ですね」とご機嫌伺いにやって来たのでした。丁度、その時、お元気なおばあちゃんの孫たちが、おばあちゃんが、オルガンを弾いて、歌を歌っているのが「としよりのひ○○○」だと冷やかしていたのでしょう。

その時、サザエさんがハッキリ聴きとったのは「としよりのひ」までで「○○○」は聞こえなかったのでした。

サザエさんは、孫たちが「としよりのひ」だから、「頑張って」と応援しているものとばかりと思ったのです、

それなのに、おばあちゃんは、カンカンに怒って孫たちを部屋から追い出してしまった。「おかしいな、どうしておばあさんは怒っているのかな」と思い、おばあちゃんに聞いたら、孫たちは、おばあちゃんを応援していたのではなく、「としよりのひやみず」と言って冷やかしたのだそうです。

そう冷やかされては、おばあちゃんも怒るでしょう。