サザエさん―判らない落ち(29)
マスオさん、お節介は難しいですね。期待していたお爺さんのためです。なんとか致しましょう。
朝日文庫版30巻〔39頁〕・昭和40年
『白髪の顎鬚が豊かに伸び、鼻のわきには長く伸びた髭を生やし、頭にはもう髪の毛は殆どなく、後頭部に僅かにくっ付いているだけの相当の年の、着物を着たお爺さんが、マスオさんを訪ねてきました。お爺さんは、菓子折を持参し、部屋に入ることもなく、要件を話し始めました。お爺さんが、にこやかに、「さきほどはどうも、老生に、よい後妻のお話があるそうで」と言うと、マスオさんは「ハハハハ エイプリルフールですよ」と高笑いしています』
『それを聞いたお爺さんは「なに エイプフリルさん!すると相手は外人ですか」「まぁ気心さえわかればそれもいいでしょう」と、ますます、にこやかに言っています。それに対してマスオさんは、困ったような顔をして「よわったな四月バカですよ」と頭をかいています』
『するとお爺さんは、髭を硬直させて、カンカンに怒りだし「なにバカじゃと!けしからんもう一度いってみなされ」と怒鳴っています。マスオさんは、お爺さんの剣幕に「よわった」とどう仕様もない顔をしています』
『〇○○○』
さて、マスオさんのお節介はトンデモナイことになりました。
マスオさんは、どうしてこんなことをしようと思ったのでしょう。
もう、あまり先もなさそうのお爺さんに冗談を言ってからかつたのでしょうか?
「お爺さん、まだまだお元気そうですね。なになに、奥さんはいらっしゃらないのですか?まだまだお元気そうなのに何かとご不自由でしょう。できましたら私がお世話しましょうか?」
こんなことを言われたら、この元気なお爺さんはその気になってしまったのでしょう。
家で、マスオさんからの連絡を随分長いこと待っているのに、何にも連絡がない。
「今日は暇だから、話を聞きに行くか、お菓子のお土産でも持って行ってみるか」
と菓子折を持ってマスオさんのところにやってきたのです。
マスオさんが、玄関に出てきた。
『先日、後妻の話をしていたようですが、どうでしょうか』
と聞くと、フグダマスオ君は
「ハハハ」
と笑って
『エイプフリルさんですよ』
と言っている。
確かにそう聞こえた。
マスオさんが言った『エイプリフール』が『エイプフリル』と外国人の名前のように聞こえたのです
わしは、年はとったが、まだ耳はよく聞こえると自信を持っている。
しかし、お爺さんの耳には、確かにマスオさんは、
『エイプフリル』
と言ったと聞こえたのです。
矢張り耳も衰えていたのです。
マスオさんは、ワシが少しハイカラに見えるから、外人さんをお世話しようと思っているのだ。わしは、本当に
『気心さえ通じれば、言葉などどうでもいい』
と乗り気になっていたら
マスオさんが言った
「よわったな四月バカですよ」
しかし、
『四月のバカですよ』
と言っているのが
『しかし馬鹿ですよ』
と聞こえてしまった。
そこでお爺さんは。
『なんだって、しかし馬鹿ですよ』
とは何だ!バカをお世話するつもりかと怒り出した。
お爺さんは、カンカンになって怒っています。
そこへ、サザエさんが、出て来てマスオさんン言いました。
『お爺さんを怒らしてどうするの!なんとかしなさい!』
と言うことで、
四コマ目の『〇○○○』はこうなっていました。
『マスオさんは、スーツを着てその上からコートを着ています。サザエさんはコートを着せてあげながら「バカね」と言い。マスをさんは、知っている3人のおばあちゃんを思い浮かべながえら「とにかくニ三げんあたってくる」と泣きごとを言っています』
マスオさん、お節介は難しいですね。期待していたお爺さんのためです。なんとか致しましょう。