サザエさん―判らない落ち(25)
この話も信じられません。可笑しくて笑いが取れません。
朝日文庫版27巻〔98頁〕・昭和38年
『サザエさんが、お座敷で天井から水しずくが落ちているのを見つけました。天井の方を見て「アラもりだした」と困った顔をしています』
『サザエさんは、大き目のワイングラスを持ってきて、シズクが落ちて来る下に置きました。水しずくは、グラスの中に水を跳ね返しながら落ちています』
『グラスの傍にワカメちゃんがやってきました。ワカメちゃんは、かき氷のような氷が、グラスの上に積っているのを見ました。ワカメちゃんは、部屋の中のいあるかき氷が入ったグラスを見て驚き「これなーに!!」と叫んでいます』
『ワカメちゃんの驚く声に、サザエさんがやってきました。サザエさんは、グラスの中に細かな氷が積っているのに驚き、「ひえるとおもったらユキになったわ!」と驚いています』
驚きました。サザエさんの家は、冷凍庫なのでしょうか?
雨漏りした水がポトポトと落ちて来て、凍って、グラスの上に雪のように積る。
そんなことは、普通の家の中では起こり得なません。
サザエさんは、夢でも見ているのでしょうか?
あり得ないことが、起こっているのです。
ワカメちゃんも、グラスの上の雪を見て驚いています。
極寒の地に住んだことはありませんのでわかりませんが、
天井からの水が、畳の上に置いてあるグラスに落ちる、その短い瞬間に凍りついて雪になる、こんな大規模冷凍庫のような寒い国の、寒い部屋があるのでしょうか?
こんな、部屋の中で凍りつくような奇異な出来事、裏には何かがあります。
私の推測では、カツオ君の悪戯が絡んでいるようです。
カツオ君は、毎日、寒い寒いと言うのに、サザエ姉さんは、
「これくらいの寒さは。体を動かして辛抱しなさい」
と言う。
カツオ君は、
「姉さんそう言うけど、毎日、寒すぎるよ。けちけちしないで、もう少しストーブを燃やしてよ」
と思っていたのです。
「よし、そうなら少しだけからかってやれ!」
そして、カツオ君がやったことはつぎのとおりでした .
カツオ君は、お姉さんが、水が落ちて来る畳の上に、ワイングラスを置いて出て行ったあと、
夏に使っているオモチャのカキ氷機を取り出し、冷蔵庫から、冷凍室の氷を取り出し、かき氷を作りました。
そのかき氷をグラス上に乗せたのです。
ホラ!のうてんきなおねえさんは見事に引っかかりました、
姉さんは、部屋が暖房をさせず、余りにも冷えているので、落ちて来る水が凍ったと思っているのです。
そんなバカなことを信じ、妹のワカメちゃんにも
「落ちて来る水が凍って雪になったのよ」
とバカなことを、言っています。
バカだな、姉さんは!
ボクがカラカッタダケダヨ!
部屋の中で、水が凍るはずはないじゃないか!