サザエさん―意外な落ち(1)
マスオさんが露店でピストル型ライターを買いました。
朝日文庫版34巻〔45頁〕・昭和42年
『サザエさんのお父さんが、コタツに入ってタバコを咥えていると、ピストルがスーツと出てきました。お父さんは、驚いています』
『ピストルを持っていたのは、マスオさんでした。マスオサンは、ピストルを、サザエさんのお父さんが咥えているタバコの先端に近づけると、引き金を引きました。カチッと音がして、ピストルの先端にパッと火が点き、マスオさんは、先端に火がついたピストルライターを「おもしろいでしょう!ろ店でみつけたんです」と言いながら、お父さんの咥えているタバコに近づけると、お父さんは、首を伸ばして咥えたタバコに火をつけました。カツオ君が傍でじっと見ていました』
『カツオ君とワカメちゃんが外にいます。カツオ君は、マスオさんが持っていたピストルを持ち出し、ピストルをワカメちゃんの方に突き出して、引き金を引き、火を点けて遊んでいます。それを見て、ワカメちゃんが「アラ!マスオ兄ちゃんがおこるよ!」と注意しています。するとカツオ君は「すりかえてあるから大丈夫」と平然と答えています』
『○○○○』
カツオ君のイタズラは、とんでもない事件を引き起こしました。
タバコを吸っていた若い頃、ピストル型のライターは、使ったことがあります。
だだ、小さ、装飾品で、ライターその物で、貰いものでした。
マスオさんは、露店で買ったと言っています。
サザエさんのように、銀座まで出かけ、ピストルの形をしたライターを買おうとしたのではないでしょう。
たまたま、露店を冷やかしていたら、ピストルのような形状のライターを安く売っていたので、面白半分に買ったものと思われます。
マスオさんが、お父さんに見せたそのピストル型ライターは、本物のピストルと見間違うほどの大きさのようですから、ライターとしては珍しく、大人のマスオさんでも欲しくなったライターだったのでしょう。
カツオ君が事件を起こしたのは、そのライターが、本物のピストルと見間違うほどの大きさだったことで起こってしまったのかもしれません。
『○○○○』はこんなことでした。
『マスオさんは、豪華なデスクとチェアーに座っている恰幅のいい上司の前にいます。
その上司がタバコを取り出し、吸おうとしています。それを見たマスオさんは、直ぐに上司の前に行き、ピストル型ライターを取り出すと、上司が咥えているタバコに突き出し、引き金を引きました。すると筒先から、水が噴き出し、上司の額に命中しました。上司は顔中水を浴び悲痛な顔をしています。マスオさんは、シマッターと顔面から血の気を失っています』
起こりそうもない事件ですが、カツオ君のすり替えで、起こってしまいました。
マスオさんが、もう少し注意力があれば、まさか、水鉄砲とピストル型のライターを間違えることはないと思います。
突然、ピストルを突き付けられ、水を浴びせられた上司は、カンカンに怒ったでしょうね。
マスオさんに
「君!明日から会社の来なくてもいいよ。クビだ!!」
と言ったかもしれません。
上司は、タバコが燃え上がり、放水して消してもらう必要はないのですから、マスオさんを許せない筈です。
カツオ君!ピストル型ライターと水鉄砲をすり替えたら駄目だよ。