サザエさん―面白い落ち(97)
ヤキノリだけでなく、マスオさんのように何でもパクパクと食べよう。
朝日文庫版20巻〔51頁〕・昭和33年
『街角で、サザエさんが、クロネコを抱いているお婆ちゃんとお喋りをしています。お婆ちゃんが言いました。「うちのミーは、ヤキノリが大好物ですのよ」。サザエさんは、にこやかな笑顔で、何も言わずに聞いています』
『サザエさんとお婆さんがお喋りをしていると、学校の先生のようなまるぶちの眼鏡をかけたオバサンが、虎柄の猫を抱いてやって来ました。オバサンは「うちじゃ二日おんなじものをやるともういただきませんの」と自慢げに話しかけてきました。サザエさんは、呆れた顔をしています。クロネコのお婆さんは、皺も目立つ口元をほころばせて、笑顔で聞いています』
『クロネコのお婆さんが帰った後、今度は、背の高い、首にスカーフを巻いたオシャレなご婦人が、マルチーズのような小型の愛玩犬を連れてやってきました。ご婦人は、犬の方を振り返り、「うちのは、フルーツとお肉しか頂きませんの」とこれまた自慢げに話しかけてきました』
『サザエさん家で、会社から帰ったマスオさんが、夕食を食べています。お膳には、骨だけ残った魚のお皿、大根漬けを切ったお皿が乗っており、浴衣を着たマスオさんは、手にしたお茶碗のご飯を、「パクパクパクパクパクパク」と夢中になって食べています。その様子を見ていたサザエさんは、「あなた 何でもよく食べるわね!」と呆れかえっています』
少しは豊かになって、犬や猫をペットにし飼っている家もドンドンと増えてゆきます。
ペットを飼えるマンションも多くなりました。
そして、生活も豊かになり、ペットの餌も贅沢になっていくのでしょう。
経済的なゆとりのある家では、
「二日おんなじものをやるともういただきませんの」
「うちのは、フルーツとお肉しか頂きませんの」
のように、贅沢な食事を与えるようになるのでしょう。
しかし、お婆ちゃんのクロネコは、贅沢ではなく、大好物として、
ヤキノリ
を食べるんだそうです。
当家の小さい孫は、小食で困っています。
「二日おんなじものをやるともうたべない」
「フルーツとお肉しかたべない」
と贅沢な物を食べさせるわけではありませんが、とにかくフルーツもお肉も食べないので、気がかりです。
食べなさい、食べないと駄目だと言っても、その気にならないようです。
ところが、テーブルにヤキノリが置いてあると、
先ずは、小さなお寿司を作って食べるのです。
お皿にヤキノリを拡げ、スプーンを持ってきて、拡げたヤキノリの上に、茶碗のご飯をとって乗せ、ヤキノリをクルクルと巻いて、小さな巻きずしを作りパクッと食べています。
小さな巻きずしのような、ヤキノリ巻きを作るのが面白いのかな?と見ていると、4~5個作ると面倒臭くなるのか、ヤキノリを、そのまま、パリパリと音を立てて美味しそうに食べています。
お婆ちゃんのクロネコは、ヤキノリが大好物ですが、
当家の小さな孫もヤキノリが大好物のようです。
食感と、適度な塩味が美味しいのでしょうか?
マスオさんのように、呆れるほどなんでもよく食べるようになってくれるといいのですが!!